アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

暴走する自衛隊と消費税増税

2018年10月20日 | 自衛隊・日米安保

     

 安倍首相は14日の自衛隊観閲式で、「すべての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるのは、今を生きる政治家の責任だ。私はその責任を果たしていく」と軍服姿の自衛隊員たちを前に大見得を切りました。

  産経新聞(15日付)はその自衛隊観閲式のニュースと並べて、”これが安倍首相のいう「環境」だ“というように、驚くべき記事を載せました。「自衛隊ジブチ拠点恒久化 防衛省方針 海賊対処終了後も活用」(写真右)
 防衛省が、「海賊対処」を名目に「自衛隊唯一の海外拠点地」としてアフリカ東部のジブチに置いている拠点(自衛隊基地)を、一時的なものでなく恒久的なものにする、というのです。自衛隊(日本軍)の恒久基地がアフリカ東部にできるというわけです。

 その目的は、「『一帯一路』を推進し、ジブチに初の海外軍事基地を設けた中国に対抗する狙いもある」「安倍晋三首相が提唱し、一帯一路に対抗する意味合いも強い『自由で開かれたインド太平洋戦略』でジブチを西の門柱にできるか試金石となる」(同産経新聞)。米軍との従属的一体化をすすめている自衛隊が、アメリカの対中国戦略の一翼をになう軍事基地をジブチに置くというわけです。

 しかも、「恒久化にジブチ政府の同意を得るために、自衛隊装備品の無償譲渡と整備支援に着手することに向け年内に調整に入る」(同)。ジブチ政府の許可を得るために自衛隊装備品つまり兵器を譲渡するというのです。これは政府の手による武器輸出にほかなりません。

 「専守防衛」「極東条項」「武器輸出禁止」など死語だといわんばかりのやりたい放題。ついに自衛隊はアフリカに恒久的基地を持つ軍隊になろうとしています。

 安倍首相は観閲式でさらに、ことし12月改定する「防衛計画の大綱」についてこう述べました。

これまでの延長線上ではない、数十年先の未来の礎となる防衛力のあるべき姿を示す。…(宇宙、サイバー、電磁波などをあげ)新たな分野で競争優位を確立できなければ、この国を守り抜くことはできない」
 かつてない大軍拡の宣言です。

 観閲式の翌15日、安倍政権は臨時閣議で、消費税を2019年10月から10%に引き上げることを正式に確認しました。14日と15日のこの連係はけっして偶然ではないでしょう。

 安倍政権は消費税増税の名目に「全世代型社会保障」など聞こえのいいことを言っていますが、本音は大軍拡の財源確保です。軍備に予算を回せば社会保障に穴が開くのは当然で、その穴を増税で埋めようとするにすぎません。 

 地元(秋田、萩)住民の反対を押し切って配備を強行しようとしているイージスアショア(地上配備型迎撃ミサイル)は「2基で6000臆円」(7月23日付産経新聞)。「ジブチ基地恒久化」が現実になればその費用も膨大です。これに安倍首相が宣言した「防衛計画の大綱」見直しによる、宇宙・サイバー・電磁波など「新たな分野」への資金投入。アメリカ製兵器の売り込みに懸命のトランプ大統領との同盟関係で、この先どれだけ軍事費が膨らむか分かりません。

 日本の軍事費はすでに5兆円を超え、史上最大になっていますが、岩屋毅防衛相は就任早々、「従来より充実した防衛費をいただかなければいけない」(5日付中国新聞=共同)と公言しています。

 繰り返しますが、消費税率の引き上げは大軍拡のためです。憲法違反の軍隊である自衛隊が、アメリカ製の兵器を大量購入し、米軍と一体となって海外で戦争をするための大増税です。

 しかし、消費税と軍拡(自衛隊増強)のこの関係に警鐘を鳴らすメディアは(「しんぶん赤旗」も含め)皆無です。
 沖縄を含め、日本全体を覆っている“自衛隊タブー”を打破しなければなりません。それは日本だけでなく東アジアの平和と民主主義にとって死活的に重要な問題です。

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