アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

日曜日記162・NHK「バリバラ2.4時間TV生放送」異聞

2021年08月22日 | 日記・エッセイ・コラム

  22日午前0時から2時20分まで、Eテレで「バリバラ2・4時間TV生放送 誰ひとりとり残されないSDGs」があった。レギュラー番組「バリバラ」(バリアフリー・バラエティ)のスペシャル版だ(写真)。

 この日取り上げた問題は、障がい者差別、アイヌ民族差別、入管行政(「不法」滞在外国人差別)の3テーマ。どれも深刻で重要な問題だ。ここではそれらの問題は書ききれないので、2つの違った視点から感想を述べたい。

 1つは、ゲストに大阪市立木川南小学校の久保敬校長が出演したことだ(写真右)。

 「障がい者差別問題」のコーナーで、レギュラーコメンテーターの玉木幸則氏(脳性まひ、写真左の左)が小学校で1日担任になり、子どもたちと遊び、語り合う企画があった。その小学校が木川南小で、久保校長が校門で玉木氏を出迎えるところから実践が始まった。

 久保敬校長といえば、「豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために」と題した「大阪市教育行政への提言」(5月17日)を松井一郎市長に提出し、松井氏の反発をかった校長だ。

 久保校長の提言は、「子どもたちの未来に明るい光を見いだしたい」との切なる願いから、大阪市の教育行政を「子どもの問題ではなく、まさしく大人の問題」として考え、提言した素晴らしいものだ。松井氏はそれに怒り、不当にも久保校長を「文書訓告」処分にした(8月20日)。

 その久保校長が、「バリバラ」で元気な姿を見せた。バリバラの企画に賛同して子どもたちに「障がい者問題」を考える貴重な機会をつくった。なるほど、この校長なら、と思った。松井市長との経過を知っていたであろうバリバラのスタッフにも拍手を送りたい。

 もう1つは、素晴らしいこの番組(特別版)が、なぜ真夜中の放送なのか、ということだ。

 貴重な番組だったが、この時間にいったい何人の人が見ただろう。これはもちろん番組スタッフの問題ではなく、こういう番組編成をしたNHK上層部の責任だ。

 折からの「パラリンピック放送」との違いを思わずにはいられない。もうすぐNHKはレギュラー番組もすっ飛ばして「パラ五輪放送」に終始する。「障がい者スポーツの意義」を口にしながら、同じく「障がい者」の権利をメーンテーマとする「バリバラ」のこの冷遇はいったいどういうことだ。

 ともあれ、「バリバラ」は、NHKにいくつかある貴重な番組の1つだ。これからも学ばせていただきたい。レギュラー番組は毎週木曜夜8時~8時半、Eテレで放送されている。


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