東野圭吾「希望の糸」読み終わりました。
毎回新作が出ると予約をして買っている圭吾さんの作品
読んでいても
読み終わった後も
頭の中にそこここのシーンが
しっかりと浮かんで
自分だったらどうするだろう
と
じっくり考えさせられる作品でした。
本当の家族ってなんだろう
それが今回の作品で一番思ったことでした。
毎日同じ家の中で
寝起きして
同じものを食べて
一緒に笑って泣いて怒って・・・
それが家族？
そこに
たとえ
血のつながりがなくても？
逆に
一緒にいることは出来ないけど
心のどこかにはいつもいて
相手の幸せを願い
血がつながっていること？
また
自分は知らずに
この世の中の誰かと血がつながっていて
その誰かは自分のことを思ってくれている？
そんないろんな形はあるけど
どれも家族と言えるのでは？
そんな風に思った。
「弥生茶屋」というカフェを経営する
花塚弥生 ５１歳が
店の中で殺されていた。
その事件は
家族を思う糸が絡まって起きてしまう事件だった
その事件から
それぞれの家族が
知られたくなかったことが分かってしまったり。。
誤解が生じてしまったり。。
「そんなつもりじゃなかった」
ことが
事件に発展してしまう
そして
一方
この事件の担当になった
松宮脩平刑事に
以前住んでいたところの管理をしていた不動産屋から電話が
ある女の人が
松宮の連絡先を教えてほしいと言ってきたという。
切羽詰まった様子のその人に
名刺を渡され「大至急相談したいことがあるので連絡が欲しい」と。
芳原亜矢子
その名に心当たりがない。
母にその名を出すと・・
様子がおかしい。。
知らないではなく
「話したくない」という。
困惑する松宮。。
一体誰なのか？
そこには
松宮の出生の秘密が
事件を調べていくうちに
ある家族の秘密が明らかになっていく。
父が娘に言えなかった事
それが
父と娘の間で大きな壁になっていた！！
「あたしは、誰かの代わりに生まれて来たんじゃない。」
そう娘に言われてしまう父親
すれ違ってしまう父娘の思い。。
そして
相手を思うからこそ
相手とつながる糸は絡んでしまう。。
幾重にも絡んだ糸
それをほどくのは
「刑事というのは、真実を解明すればいいというものではない。
取調室ではなく、本人たちによって引き出されるべき真実もある。
その見極めに頭を悩ませるのが、いい刑事だ」
その言葉をくれた加賀恭一郎
松宮の従兄で先輩刑事
それに突き動かされた松宮だった。
そこここに
いい味を出して登場する
加賀恭一郎
加賀ファンにはたまらないです
そして
今回いい刑事に成長している松宮がいい
２人の絡みもいい感じでした
家族の間に多くの言葉は要らない。
たった一言の
大好き
それが親子のわだかまりを解かす魔法になる
自分の家族についても深く考えさせられた。
もし自分がそうだったら
登場人物に自分を置き換えて考えてみる。
本当のところはそうなって見なければ分からないけど
想像してみること
考えてみること
それが大事なんじゃないこと思う。
自分が経験できないこと
それを想像させてくれるのが本の良さだもんね。
こんなにいろんな難題を絡ませ
最後に希望も持たせてくれる
さすが圭吾さんです
これからもたくさん素敵な作品を生み出してください。
私は本の
紙の感触を感じてページをめくり
その世界に浸りたいです。
ぜひあなたも圭吾さんワールドへ紙をめくって入り込みませんか
