今日の草履は、仙北市内の女性のオーダー草履です。ご希望配色が「完全おまかせ」でしたので、女性が持つイメージの「和柄」だけはすぐに決めました。次に選んだプリント柄は「十二支」、新年一月から角館草履のご愛用者となってくださるのですからピッタリと思います。先ツボに赤の唐草を使ったのは、今の充実がこれからも絶え間なく続くように願ったつもりです。
年が明けて六日、明日は七草というのに積雪がありません。角館としてはおよそ稀な冬を過ごしています。年末に積もった雪は年明けの雨で融かされ、もう報道にも積雪量の話題はなくなりました。おそらく角館で数cm~10cmでしょう。われわれ生活者はとても助かっているのですが、予定されていたスキー大会は軒並み中止に追い込まれ、除排雪を冬の生業としている人たちも苦しい立場と思います。どんな事象もすべてが良しとはいきませんね。
お隣り大仙市清水地区から、三十歳ほどの女性がお立ち寄りでした。最近勤務先を辞め、これからやりたいことへ挑戦を始める矢先なんだそうです。今はしばしの充電期間で、ふと「角館へ歩いて行ってみよう!」と思い立ったんですね。距離にして10数㌔はありますか。まずおっさんの私が考えることではありません。
おしゃべりの中で、「私がなぜ草履を編みはじたのか」を訊かれました。ご自身がこれから目指す起業と重なる部分があったのかもしれません。きっかけからここまでのあらすじを簡単にご説明すると、『なんかとっても面白いですね。私も買っていきたいです~!』。少しずつ並び始めた展示在庫からお好きな配色をお選びでした。
女性はおそらく例年通りの積雪であれば、さすがに徒歩で角館は考えなかったと思います。暖冬の雪不足が招いたご縁といえるでしょう。