今日の草履は、青森県黒石市からお越しくださったご夫婦のオーダー草履です。昨日まで同じ配色の24cmが一点あり、その草履をサンプルとして23cmをご注文でした。実は24cm草履を編んだとき、少し白っぽいのがどうかなと思ったものです。それが「今日の草履」のほかにも2点オーダーが続き、二日間でこの布地は完売となっています。確かにお洒落ですからね。
日々いろいろな旅人と出会う中で、角館草履云々以前に「草履を編んでいる男」に対して関心を寄せるお客様がいます。日本人のDNAに顕著な反応を見せる方とでも言いますか。大阪府高槻市から一人旅を愉しんでおられた男性は、そもそも室内草履などまったく関心も知識もなかったのが、目の前に「草履を編む男」がいることに関心をお寄せでした。健康効果をご理解いただくと、ご自分用のオーダーを賜っています。
先日のこと、スウェーデン人のお若い女性がお立ち寄りでした。服装がいかにも日本文化に精通していそうでしたから、まず間違いなく楽しいおしゃべりが期待できます。丸太椅子に着席をお勧めすると、すぐに応じてくれましたね。片言よりは上手な日本語で、『アイキドウノセンセイニアウタメ、アキタニキマシタ』。合気道を学んでいると聞いただけで日本通が分かりますよ。
やはり草履実演にも高い関心をお寄せでしたから、まずは試し履きをお勧めしました。『ハイ、アリガトウゴザイマス!』と言いながら脱ぎだした履物を見てビックリ。彼女が履いていたのはなんと「地下足袋」だったんです。草履実演生活も十一年目に入りましたが、地下足袋を履いた旅人は初めてです。しかも外国人ですからね。写真を撮らなかったのをこんなに後悔したのも珍しいですよ。
試し履きで上機嫌の彼女も値段を見ると、『オ~、ワタシニハチョットタカイ…』。草履コーナーを見まわし「生徒さん作品」の土踏まずなし二千八百円を見つけ、『ワタシハコレニシマス~!』。
彼女はそれでも大満足でお帰りでしたが、願わくば私が編んだ草履を履いてほしかったと思っています。それにしても日本人のDNAに顕著な反応を見せる人は、外国人にも珍しくないのでしょう。朝ドラの「エリーさん」に出会った気分でした。
実演風景を写真に撮られない日はありませんが、
外国人はほぼ間違いなくカメラに収めていきます。
より日本らしいものを求めているからでしょうね。
11月中旬から少しずつ在庫が増えるものと思います。
手仕事の限界は、「マッサン」のウヰスキー造りを見ても
よく分かりますね(笑)