角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

店主が作者。

2016年06月18日 | 実演日記
JR東日本大人の休日倶楽部乗り放題チケット期間が、今月23日から始まります。直前の角館は、やはり新幹線で降り立つ人影が多くはありません。今日は雨上がりに思い立って訪れたという感じの、秋田県内のお客様が多く感じられました。年に数回角館散策を愉しむ人々は思いのほか多く、草履のご愛用者ではなくともお顔馴染みさんが多数おられます。

能代市からお越しのご年配グループも、年に二、三度お越しでしょうか。そのたびに実演席の丸太椅子へ腰を下ろし、しばしの休憩をとっていかれます。一人のおじさまが言うのは、『それにしても角館っていうところは、ものづくりが盛んだな』。
国の伝統工芸樺細工を始め、イタヤ細工、白岩焼、押絵等の雛人形や吊るし雛、パッチワーク愛好家も結構な人数に上ると云われます。おじさまは角館草履もそんな一つと思ってくれたのでしょう。

多様な手作り品が一堂に会するイベントは、世の中に案外多く存在します。人気を集めるイベントになると、車が置けないほどのご来客数とも聞きました。年に一度、二日か三日しかないチャンスであれば、興味を持つお客様がこぞって訪れるのになんの不思議もありません。それは「一堂に会する」という点が大きな魅力なのだと思うんですね。

私がずっとイメージしているのは、「街がいつでもイベント会場」です。角館の中心部面積などクタクタになるほど歩かなくていいですから、その中に点々と立ち寄れる手づくり品のお店があったら、それは「街がいつでもイベント会場」になり得るのではないかと思っています。
願わくば仕入品が多数を占めるのではなく、「店主が作者」がより好ましいでしょう。それは私の経験則でいくらでもご説明が適います。
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2 コメント

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㈱わらび座造園 (山田みき)
2016-06-25 16:40:49
東京へ一年ぶり?に行き、早速迷って(笑)あちこち尋ねながら目的地へ到着。今回”国際フォーラム”会場で、わらび座”げんない”を東京の御客様と御一緒に観ながら、不思議な空気を感じていました。東京って”江戸”なんだ、なんだろう?この下町風の御客様の温かさは?江戸は職人の町!げんない終演に”心が温かくなった”と話しながら帰る若い御客様。こまちで秋田へ戻ると、山々が両手を広げて”おかえり!”と言ってくれる緑の威力に圧倒され、心がストンと落ち着きました。勿論、いの一番に、角館草履さんへ走りました。光速と丁寧さが合流する現代の職人技。
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迎える風景 (草履職人)
2016-06-25 18:25:44
みきさん

隣人の顔も知らないひとりぼっちの世知辛い街。
東京という大都会をそんなふうにイメージしがちですが、
そんなところばかりではありませんね。
かつてサラリーマン時代下町の飲み屋さんへ何度も
行きましたが、「秋田から来た若者」というだけで声を掛けて
もらえるものでした。

緑の山々は田舎の風景です。そこへ暮らす者も旅人も、
みんなを優しく迎える場所だと思いますよ(^^)
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