角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

季節はずれの「卒業」。

2006年07月12日 | 実演日記
今日の草履は、7月9日、宮城県刈田郡からお越しくださった奥様のオーダー草履です。『ベースも緒も紺系で‥』がこちらになります。
明日までご旅行とのことでしたから、明後日到着するよう、明日の便で発送いたします。

昨晩遅くに降り出した雨のせいでしょうか、今日は比較的気温も低く、蒸し暑さもさほどではなかったです。昨日はヒドかったです、今朝行き交う人たちとの挨拶は、『昨夜は寝苦しがったんしナ~』でした。

観光で当地を訪れる方々も、『いや~、なんでこんなに暑いの!?』とおっしゃいます。北東北=寒いをイメージしているせいか、かなり意外に感じる方が少なくないようです。
まぁ、私にしても沖縄は一年中泳いでるように思ってますから、人様のことを言えるようなものじゃありません。
ただし、昨日のお客様で「それはちょっと‥」と思えるお言葉を聞きました。
『キャー、東北にもトカゲがいるーっ!』。

盛夏を間近に控え、夏祭りイベントの出店依頼や要綱が届く時期です。昨年までは、盛夏から初秋にかけて4ヶ所のお祭りに出店していました。今年からは草履実演に重点を置くため、ほぼすべてのイベント出店を廃止します。昨日と今朝で、二ヶ所の実行委員会に「廃止」の届けを出しました。

一つは過去5年お世話になりましたし、もう一つはサラリーマン時代から20年連続で参加していました。どちらも人気のイベントですから、一度出店を取りやめると「再出店」はまず無理でしょう。そう思うと、この決断もなかなかの心理的エネルギーを使うものです。
なにより、永年のお付き合いで実行委員の方々とも懇意ですから、『いやぁ~、残念だんしナ~』と言われるといささかの寂しさもあります。
もっとも、これから初めての「真夏の実演」を体験しているうちに、そうした寂しさを感じているヒマもなくなるとは思いますが。

新たな旅立ちには、「喜び」と「寂しさ」があるものですね。季節はずれの「卒業式」とでも言いましょうか‥。

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2 コメント

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つながり (umeking)
2006-07-13 13:39:14
長く続けている事ってそうですよね。

離れるとき、止めるとき「さみしさ」

ありますね。

特に「人」とのつながりが「さみしさ」を

大きくしますね。

そういったことを考えると、

やはり「転がる石」なんですかね、

「人間」って。



僕には大きな、小さな目標ありますが、

草履職人さんとお会いする事も

目標のひとつです。

1年後になるか10年後になるか

分かりませんが、これは

のんびりとした目標です。

時をじっくり熟成させる目標といいますか、

なんでしょう。長いスパンの希望です。



人と人。縁。

「さみしい」からこそ

「愛おしい」のかもしれませんね。

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別れが真価 (草履職人)
2006-07-13 18:32:16
人っていうのは、「別れ」のときに真価が問われると思っているんです。

たとえば今回の廃止届けにしても、『あっ、そうですか』って簡単に片付けられるより、『なぜ?』からはじまって『分かりました、頑張ってくださいね!』って言われると、別れなのに明るいでしょ。

究極の別れの真価は、いずれやってくる「死」でしょうね。



umekingさんとは、別れの前にまず出会わないと(笑い)。落ち着いたらきっと訪ねてください。奥さんと二人のお子さんともお会いしたいですね。
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