角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

草履でさえ‥。

2007年01月31日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
桜うさぎブルーをベースに、黄色を合わせた配色Ⅱパターンです。今の時期は若干の寒さを覚えますが、季節が変われば「爽やか」が前面に出ると思います。暖かい季節が楽しみですねぇ。

年が明けて、今日で一ヶ月が終わりました。今日現在の在庫数量を調べてみたら、ほとんど計画通りです。でも、これは喜ばしいことではないんです。
今冬の生産計画は、「除雪作業」を勘案して立てています。「除雪しながらでもこれくらいはできる」という数量ですから、除雪と無縁だった1月としては、決して誉められる数量ではないわけです。

実演現場でも、『一日どれくらい出来るの?』はよく訊かれます。だいたいの数を教えると、『機械じゃ出来ないもんねぇ~』とも何度か言われました。
「草履を機械で編む」、それは考えたことさえありません。それほどの機能を持った機械が作れるのか、作れるとしていくらするのか、日産何足で一足いくらになるのか、減価償却に何年‥。
こういうことを考えるのは、今の私にはあまりに似つかわしくないですね。「次はこんな色で作ってみよう」「明日はどんな人がこの町に来るのかナ」なんてことを考えるのが、今の私には一番合ってる気がします。

「機械」を口にするお客様も、『こういうのは手作りだからイイのよ!』を最後に必ず言ってくださいます。もちろん私もそう思います。

厚生労働大臣さん、草履でさえ「機械が産む」なんて誰も言いませんよ。


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4 コメント

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春色ですね (masato)
2007-01-31 22:29:28
草履職人さん。
今日の一品は、随分と春めいた色合いですね。
浦和辺りも今日は昼間ならコートは要りませんでしたよ。
でも、コレで冬は終わるのでしょうか??
暖かな冬は楽ではありますが、どこかでひずみが出るとしたら・・・
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対価 (mage)
2007-02-01 11:19:52
生業としてやっているから、数とか数字は大切ですが、
やっぱり「機械」とか「ノルマ」みたいな世界とは
無縁であってほしいです。

お客さんの喜びとか、笑顔の対価として
売上があるっていう発想がしっくりきます。
(個人的な思いです)

手作りってそんな喜びを生む最も良い方法ですね。
どんな時も、気持ちを込める時って、
必ず手を使いますもんね。


売上はきっと後から付いてきますとも、
気持ちの対価として。
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いきなり来ました (草履職人)
2007-02-01 16:35:26
masatoさん、今はゴールデンウィークまでを想定して作ってますから、こうした「爽やか系」も織り交ぜています。気分的にもイイですヨ。

さて今冬ですが、今日いきなり来ましたよ、大雪が。
たった一晩で35cmですって、朝から今も降り続いてますから、明朝が怖いです。
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商いの心 (草履職人)
2007-02-01 16:41:04
mageさん、「お客さんの喜びとか、笑顔の対価として
売上がある」、まさにこれですね。

商いの道を志して間もなく26年ですが、その大半はこの「基本」が分からず来た気がします。「布巻草履」が出来て私の商いが大きく変わりましたけど、もっと大きく変わったのは私の心の中かもしれませんね。
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