今日の草履は、彩シリーズMグループ24cm土踏まず付き〔4000円〕
エンジ基調の和柄プリントをベースに、合わせは夜桜です。柄物同士の組み合わせですが、うるささよりはむしろ「雅」な美しさがあると思います。
今日の角館も暖かかったですぅ。おそらく二桁までいったんじゃないですかね。最高気温が二桁まで上がるとほんとに暖かく感じます。
寒くなるほうに向かう二桁から一桁はかなり寂しく感じますから、同じ「10℃」でも春と秋ではまったく異なった印象がありますね。
お昼過ぎ、中年のご夫婦がお越しでした。奥様は草履に関心がありそうでしたが、ご主人はそれほどでもありません。昼食のレストランを目指して見えたのでしょう、奥様が小さな声で『まず食事してからね…』。
しばらくすると奥様だけが再度お越しです。『お父さんが来る前に買っちゃわないとっ!』。
これまでお逢いした多くのご夫婦は、奥様が「財務大臣」でした。もちろんそれはそれでイイわけですが、ときにこうして一応ご主人に遠慮しながらお買い物をする奥様に出会うと、ヘンな安心感を持ってしまいます。
もしかするとこれまで躊躇なくお買い上げの奥様の中には、陰でご主人に手を合わせていた方がいらしたのかも知れませんね。
青森県八戸市からツアーでお越しのおばさまグループ、しばし実演をご覧になるとひとりのおばさまが、『あらっ、草履も綺麗だけどあなたの手も綺麗だごどっ!』。
確か以前にも一度か二度私の手を褒めてくださった方がいらっしゃいましたが、かなり稀なケースと思います。
この「手」の話題で、ひとつ思い出すエピソードがあるんです。
もう20年も前のこと、首都圏のとある百貨店で樺細工実演付きの物産展に参加しました。実演を依頼したのは「茶筒」のスペシャリストで、比較的年齢は若いのですが一本5万円以上の茶筒を作る人でした。
ひとりのおばさまが熱心に実演を観ながら、『あなたほんとに何年もやってる職人さん??』。傍にいた私が『なんでですか?』と尋ねると、『だって職人の手ってこんなにキレイ!?』。
そう言われて私もよく見てみると、確かにその職人の手はキレイなんですね。そして樺細工職人が返した言葉は、『職人にとって手は命、常に大事にしてるんですよっ』。
納得したおばさまが立ち去ってすぐ、私へ向かって職人は『まっ、そんたごどはねぇんだどもなっ!』。嘘も方便ということなんですね。
今私もモノ作りの道に入って、ことさらに手を大事にするということはないです。と言いますか、別に汚れたモノや重いモノをいじるわけじゃありませんから、モノ作りが理由で手が傷むこともないですね。
でもまたどなたかに私の手を言われたら、今度はかの樺細工職人の言葉を引用しましょうかね。
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