角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

笑えない草履職人。

2012年02月27日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
ツートンカラーなど奇をてらう配色は、冬場の在庫作りの中でひとつの楽しみになっています。角館草履を知る人も知らない人も、見た目が楽しければ笑顔にもなるでしょう。時間にゆとりのあるこの時期、お客様のそんな笑顔を想像しながら草履を編んでいます。

昨年の暮れ、大阪市から北東北の取材に訪れたご一行がおりました。2011年12月26日のブログでも少し触れています。
そのフリーペーパーが今月中旬発行され、私の手元にも届き読ませていただきました。

青森・岩手・秋田の北東北三県を取材陣が実際に旅し、主に温泉とグルメを紹介しています。角館はグルメの中でも「和菓子」をふたつ紹介していて、これまでの紹介記事には珍しいかもしれません。

ひとつは後藤福進堂さんの「金柑まんじゅう」、もうひとつが渡辺菓子店さんの「なると餅」です。このふたつのお店は、私も実演席でお客様に紹介することがあるんです。後藤福進堂さんは羊羹も秀逸で、甘いものが好きな方なら笑顔間違いなしですよ。

グルメばかりが多い中に、角館草履もありました。私が草履を手に笑っている写真が掲載され、「角館草履の実演をしていた工房沙佳屋のご主人。底抜けに明るく、ちょっとした有名人」と紹介文が付されています。
確かに明るいかも知れませんが、言うほど「有名人」ではありませんね。

それにしても掲載された写真、少し引きつった不自然な笑い顔ですよ。今年は震災復興支援企画など、『笑ってくださ~い』とカメラマンに言われることが何度かありました。私はそういうときに、なかなか自然に笑えないんですよねぇ。もしかしたら、底抜けに明るくもないかも知れません。

北東北三県を取材した記事の最後は、こんな言葉で締めくくられています。
『今回の四日間の北東北旅行を一言でいうと、“やっぱり東北はええなぁ”です。震災後の風評被害にも負けず、まじめに元気に頑張る東北人の姿に心打たれました。皆さんも今年こそ北東北を旅しませんか』。

なかなか上手に笑えない角館の草履職人ですが、出来る限りまじめな笑顔でお迎えしたく存じます。
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