角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

老紳士からの激励。

2012年10月18日 | 実演日記




今日の草履は、仙台市からお越しくださった奥様のオーダー草履です。角館草履の健康効果に興味津々だった奥様、ご主人へ『欲しいんだけど…』のように話すと、二つ返事でOKのご主人でした。
明日の便で出発します。届いたらすぐ履いてくださいね~。

右足に貼られた大きなシールは、「Happy Birthday」です。草履代金を支払う際にご主人が、『今日カミさんの誕生日なんですよ』。角館草履がご主人からの誕生日プレゼントとなったわけですね。おめでとうございま~す&ありがとうございました~!

私はあと四ヶ月ほどで40歳代が終わります。50歳が若いか年寄りかはそのテーマによりますが、少なくとも若さを「売り」にできる年齢じゃないですね。
ただ草履職人という生活に対しては、案外そうでもないようです。80歳代のおばあさんたちに言わせれば、『こんなに若いのに、よくこの仕事に就いたねぇ』などと声を掛けられますよ。

岡山県からお越しのおじさまひとり旅。背の高い白髪の老紳士で、お歳は80歳前後と思います。人様の前で草履を編んでいることに関心を示され、しばしおしゃべりと相成りました。

岡山県もイ草の産地として有名です。おじさまが少年時代を過ごした土地も周囲はイ草畑で、植え付けから刈り取りまでの苦労をよく見ていたそうです。
しばらく時間を費やされたおじさまはお帰り際、『いや~、よもや角館で少年時代を思い出すことになるとは、思いも寄りませんでしたよ。ありがとう、頑張ってください』。

三十年余り前に他界した私の実父が仮に生きていれば、まもなく84歳になります。そういう年齢の男性に感謝や激励の言葉をいただくと、なんとも嬉しくなる草履職人でありました。
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