角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

昭和のあきんどの訃報。

2014年01月29日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き[四阡六百円]
こちらもシーチング(無地)をベースにした配色です。組み合わせの黒地がまたお洒落ですね。こうしたデザインの場合、履いた状態でご本人が上から見下ろすと、緒の柄物が目に入ってきます。この点を選択基準にお選びのお客様がおりましたが、一理あると思います。
もう少しこのデザインの在庫を編んでおきましょう。

東京からお越しのおばさまひとり旅。やはり大人の休日倶楽部パスをご利用で、『この切符のおかげで秋田旅行を思い立ったんですよ』。年に三度ほどあるこのフリーパス。旅人にも観光地にも、その恩恵は計り知れませんよ。
おばさまは夏場だけ布草履をご愛用とのことで、角館草履の違いを試し履きで実感されたご様子。『ひとついただいて行きますぅ~』と定番配色①をお選びくださいました。

おばさまがおっしゃるのは、『小学校からの友人で、足の具合がよくない人がいるんですよ。もう三度も手術したんだけど、あまりよくないんですよねぇ。彼女にこの草履はどうかしら…』。
ひとまずおばさまがお買い上げくださった草履を履かせてみたいといいます。気に入ってくださるようなら通販対応は容易ですからとお伝えしました。子供時代からのご友人であれば、やはりそのお体も気になるのでしょう。

昨日訃報が届きました。町に暮らす友人のお父上が急逝されたとの報せです。私と喪主は小学校時代からの同期生で、お父上のことも昔からよく知っています。大きな体調の変化を聞いていなかった分、少し驚きの報せでありました。昨夜お悔みに訪れ故人とお会いしたところ、昔人にしては大きかった体がずいぶん小さく感じられました。

角館で靴屋を営んでいる施主宅は、お父上が初代で同期生が二代目になります。私たち昭和37年会も多くは今年52歳、親の他界は致し方ないところでありましょう。激動の昭和を生き抜いた角館のあきんどが、またひとりこの世を去りました。言葉には出さなくとも、その働きぶりで学ぶところの大きかった大先輩です。享年78歳、慎んでご冥福をお祈りしたいと思います。

明日の火葬に参列する都合で、草履コーナーの開店は午前11時くらいになるかと存じます。
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