角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

少数に全力で。

2011年04月22日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
黄色基調のヒョウ柄プリントをベースに、合わせは朱色地の招き猫プリントです。
一年に一度くらいヒョウ柄の布地が入ってきますが、これがなかなか楽しいですね。「ヒョウ」と「ネコ」の組み合わせですから、ある意味ベストマッチでしょう。
実際のところヒョウ柄なのかどうか、平生地はこちらです。




40日ぶりに実演再開の今日は、朝からほど良い暖かさでした。出勤前に武家屋敷通りを車で走ってみたのですが、いたるところに交通整理のスタッフが着いています。もちろんこれが角館観桜会ではお馴染みの光景なわけですが、いつもと違うのは桜の咲く気配がまったくないことと、町に進入してくる車がほとんどないということでしょう。

西宮家米蔵二階では、今日から「洋服リメイク展」が開かれています。関係スタッフさん何人かが米蔵を出入りしているうち、秋田市からお手伝いに見えたおばさまが角館草履を気に入ってくださいました。金が散りばめられた桜花プリントの草履、『孫に派手って言われそう』と笑っておいででしたが、きっとお似合いと思いますよっ。

二十歳代半ばと思しき娘さんとご両親がお越しです。実演を見ていたお母さんが真っ先に気に入ってくださり、娘さんとそれぞれにお気に入りの配色をお選びになりました。
『どちらからお越しです?』の問いかけに、『私たちは東京で、娘は長崎からなのっ。きっと桜が見られると思って呼び寄せたんだけど、ぜんぜんダメだったわぁ』。

桜が見られなかったご家族には本当に申し訳ないのですが、たった一組でもこの会話ができたことを嬉しく思いました。本来であればこの時季、こんな会話が一日に何度もあります。今日顔を合わせた地元民との会話は、そのほとんどが「静かさ」を憂うものばかりでした。

明日もまた多くのご来客は望めないでしょう。でもこんなときだからこそ、おひとりおひとりにしっかり対応するのが重要ですね。
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