今日の草履は、横浜市鶴見区にお住いの女性からの、ご注文フォームによるオーダー草履です。ご主人用とご自分用の二足を過去の「今日の草履」からご希望いただいたのですが、あいにく布地が完売していて再現が不可能でした。そこで私のほうからご主人用にお勧めしたのが「茶系オリジナル」。濃淡の茶色を三種使って編み上げました。気に入ってくださると嬉しいのですが、もう今ごろは到着したかと思います。
こちらのご夫婦はかつて岩手県にお住いだったそうで、過去二度西宮家をお訪ねの上お買い上げくださっていました。今回も出来れば直接…という気持ちがメッセージに表れていましたね。『一度履き心地を味わってしまうと、他の室内履物で満足出来なくなってしまいました。』の文言もとても嬉しかったです。早速ご夫婦揃って新品草履の履き心地を愉しんでくださいね~。
秋田県と岩手県は隣り合っているうえ、岩手県最大の都市盛岡と角館は車で一時間余りの距離にあります。角館の立地はとてもよくしたもので、県都秋田市とも車で一時間余りしか離れていません。この距離がなかなか絶妙で、大げさな旅ではないもののちょっとした「プチ旅行気分」は味わえるわけです。角館草履のご愛用者も、この秋田市と盛岡市はかなりの人数に上ります。
盛岡市からお越しの母娘さんペア。お母さんは七十歳ほど、娘さんで四十代後半でしょうか。お二人まっすぐミニ草履にしゃがみ込みましたから、初めてのお立ち寄りでないのはすぐに分かりました。娘さんがおっしゃるのは、『今年の桜まつりに来たときこの可愛い草履を見つけたんです。食事してからゆっくり見ようって言ってたんですけど、戻ってきたらお客さんがいっぱいで…』。桜まつりでもなければそんなことはないんですけどね。
このたびはゆっくりじっくり品定めをしていただきました。装飾用ミニ草履といえどもイ草はしっかり使っていますし、綿布も私が作る土踏まず付き草履とまったく同じです。ご友人へのお土産を含めて五個をお買い上げいただきました。
秋田市や盛岡市に常連さんが多いのは、こうして複数回お会いするのが容易だからでしょう。「また近いうちに来られる」という安心感のようなものがあるんじゃないでしょうか。
それにしてもミニ草履の人気は季節を問いません。今年元日からの売上個数で、私の大人用土踏まず付きとほぼ同数で並んでいます。
本日1997回目のブログ更新でした。
日々の仕事が終わり帰宅したとき、人は何かしらの
「癒し」を求めます。それはわが子の笑顔であったり、
湯上りのビールであったり、愛妻の手料理だったり
するわけです。
そうした日常の「脇役」に角館草履がなれればと
いつも思っています。お芝居にも要らない脇役が
ないように…ですね。