角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

お近くゆえの常連さん。

2014年07月26日 | 実演日記




今日の草履は、横浜市鶴見区にお住いの女性からの、ご注文フォームによるオーダー草履です。ご主人用とご自分用の二足を過去の「今日の草履」からご希望いただいたのですが、あいにく布地が完売していて再現が不可能でした。そこで私のほうからご主人用にお勧めしたのが「茶系オリジナル」。濃淡の茶色を三種使って編み上げました。気に入ってくださると嬉しいのですが、もう今ごろは到着したかと思います。

こちらのご夫婦はかつて岩手県にお住いだったそうで、過去二度西宮家をお訪ねの上お買い上げくださっていました。今回も出来れば直接…という気持ちがメッセージに表れていましたね。『一度履き心地を味わってしまうと、他の室内履物で満足出来なくなってしまいました。』の文言もとても嬉しかったです。早速ご夫婦揃って新品草履の履き心地を愉しんでくださいね~。

秋田県と岩手県は隣り合っているうえ、岩手県最大の都市盛岡と角館は車で一時間余りの距離にあります。角館の立地はとてもよくしたもので、県都秋田市とも車で一時間余りしか離れていません。この距離がなかなか絶妙で、大げさな旅ではないもののちょっとした「プチ旅行気分」は味わえるわけです。角館草履のご愛用者も、この秋田市と盛岡市はかなりの人数に上ります。

盛岡市からお越しの母娘さんペア。お母さんは七十歳ほど、娘さんで四十代後半でしょうか。お二人まっすぐミニ草履にしゃがみ込みましたから、初めてのお立ち寄りでないのはすぐに分かりました。娘さんがおっしゃるのは、『今年の桜まつりに来たときこの可愛い草履を見つけたんです。食事してからゆっくり見ようって言ってたんですけど、戻ってきたらお客さんがいっぱいで…』。桜まつりでもなければそんなことはないんですけどね。

このたびはゆっくりじっくり品定めをしていただきました。装飾用ミニ草履といえどもイ草はしっかり使っていますし、綿布も私が作る土踏まず付き草履とまったく同じです。ご友人へのお土産を含めて五個をお買い上げいただきました。
秋田市や盛岡市に常連さんが多いのは、こうして複数回お会いするのが容易だからでしょう。「また近いうちに来られる」という安心感のようなものがあるんじゃないでしょうか。

それにしてもミニ草履の人気は季節を問いません。今年元日からの売上個数で、私の大人用土踏まず付きとほぼ同数で並んでいます。

本日1997回目のブログ更新でした。
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2 コメント

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㈱わらび座造園 (山田みき)
2014-07-28 06:30:08
昨日、以前ブログでご紹介して下さった、わらび座”小野小町”が小町の故郷湯沢で千秋楽。作品ごと役者のエネルギー。同僚?仲間?”感動”をくれる、友人に角館草履を。自分も体調が激変(笑)し、調整しながらの毎日、皆に元気でいて欲しい!でも簡単にプレゼント出来る額ではない(笑)。私が贈る相手は、涙が出る程、人生を揺さぶる友人!相手の体を気遣う時、角館草履は勇気をくれます。お守りミニ草履しかり!癒しの角館草履。小町の母、大町子様も御愛用。職人さんが選んで下さり、とてもお似合い。私が幸せ。小町メンバーは、これから”ジュリアおたあ”稽古へ!突入。
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日常の脇役 (草履職人)
2014-07-28 07:03:32
みきさん

日々の仕事が終わり帰宅したとき、人は何かしらの
「癒し」を求めます。それはわが子の笑顔であったり、
湯上りのビールであったり、愛妻の手料理だったり
するわけです。

そうした日常の「脇役」に角館草履がなれればと
いつも思っています。お芝居にも要らない脇役が
ないように…ですね。
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