角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

戻りだす日常。

2023年04月15日 | 実演日記



川崎市高津区のリピーターさんのオーダー草履
「紫系おまかせ」です。
高貴な色の紫は男性でも女性でも素敵だと思います(^^♪

三十代始めと思しきご夫婦がお越しでした。
数年前から角館草履のご愛用者で
昨年もお買い上げだったそうです。

奥様を指差しながらご主人がおっしゃるのは…

『去年草履を買って帰るとき、この人が急に
泣き出したんですよ。どうしたと聞いたら
草履屋さんが元気に仕事してたからって…』

コロナ禍は世の中を一変させました。
人々の心を疑心暗鬼にさせました。
だからこそ少しずつ元へ戻る世間に
皆が安堵の涙をこぼすのでしょう。

角館へ遊びに行ったら西宮家で
草履を編むおっさんの姿がある
これが彼女にとって「日常」だとしたら
私はそれが嬉しくてたまりません。

この話を聞きながらこっちがもらい泣きしそうに
なりました。
角館の桜はまさに見ごろを迎えています。

コメント
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