角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

今日はホワイトデー。

2012年03月14日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
今日からまた彩シリーズのご紹介です。緑ベースにエンジのいらかを組み合わせました。エンジは基本的にどんな色とも相性がいいです。いらかプリントも重宝に利用していて、ちょっと楽しい草履に仕上がるんですね。

三月のこの時期、お客様の特徴のひとつと言っていいのが、学生さんの旅です。卒業旅行もあれば、新学期が始まる前の春休みを利用してお越しの方もいます。今日は神奈川県から女性ばかりの6~7人が、とても楽しそうに旅をされていました。

そしてときに気ままなひとり旅もあります。埼玉県に実家があり、札幌の大学で勉強している男子学生が訪れました。『実家から札幌へ戻る途中なんですけど、たまには寄り道もいいかなと思って…』。
これからの日本を背負う大学生が、寄り道に角館を選ぶ。なんて好青年なんでしょう。

角館草履にも関心を示したので、試し履きをお勧めしました。青年は嬉しそうに履きながら、『うわぁ、これは気持ちいいですねっ』。
日本の伝統文化を絶やしたくない話をすると、青年も『ほんとにそう思いますっ』。ますます好青年でした。

そのうえ『記念にひとつ買って行きます』と、27cmの草履を選んだ青年。わが家も学生がいますから、財布の中身はおおよそ見当がつきます。だからと言って、値引きはどなたにもしたことがありません。
青年に何かお土産をと考え、すぐに思いついたのが2010年11月1日のブログでご紹介した「角館キティちゃん」。僅かだけ残っていたんですね。

青年に角館キティちゃんを渡す際、『自分で使ってもいいし、彼女にあげてもいいんじゃない!?』と言うと、『あぁ、今はいないんですぅ』と青年。どうやら角館の草履職人は、余計なことを言ってしまったようです。
奇しくも今日はホワイトデー。草履職人のおっさんからもらったプレゼントでも、青年はきっと喜んでくれたと思いたいものです。

二度目の保育実習を終えた後、しばしのんびりしていた長女が青森へ戻りました。入れ替わりに次女が仙台から戻っています。
家族へのホワイトデーは、仕事帰りに買ったコンビニスイーツ。角館キティより安かったです。
コメント
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