角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

性善説。

2010年08月15日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
エンジ基調の唐草プリントをベースに、合わせは紫です。ベース色が落ち着いているのと、なにより紫という色から「若さ」は連想しませんね。一定の経験と年齢を重ねたご年配者にお勧めでしょうか。

最近マスコミへ登場する言葉に、「所在不明の高齢者」があります。100歳を超える大勢の人が、実はその所在が確認されていないとするものですね。
はじめて耳にしたときはにわかに信じ難い気がしました。仙北市が発行する広報には、100歳にもなるとお祝いの写真が載ります。田舎ではそういうことが当たり前ですから、「所在不明の高齢者」はある程度大きな都市に限られるのでしょう。

すでにこの世にいない高齢者が住民票から削除されない理由として、「家族が死を隠す」というのがありました。これもにわかに信じ難い話です。とある市の行政担当者がテレビで言うのは、『それは性善説に基づくからです』。
人間は元来悪いことを考えないとする「性善説」。なんとも清らかな思想ですが、120歳を超える人間を確認ナシに「生存」とする理由がこの性善説というのは、どうにも説得力に欠けますね。

他方、やっぱりどうしても信じ難いのは、「親族を弔わない」という考えや行動です。お墓参りの際に墓所を見回すと、大きなお墓、小さなお墓、新しいお墓、古びたお墓があります。お墓そのものはどんなでも、やがて子孫には手を合わせて欲しいと私も思いますけどね。

神仏を前にしたときくらいは、「性善説」を信じたいものです。

コメント
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