角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

人がごちそう。

2007年01月10日 | 製作日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ21cm〔3000円〕
一昨日の今日の草履と同じベースに、緒は紺を合わせてみました。予想通り、まさに「水墨画」の世界です。

昨日と今日は、雪空が続いています。それでも大寒波というほどの寒さではなく、除雪するほどの積雪量もありません。だいたいこのあたりで一山来るのがフツーですから、やっぱり今冬は楽な冬で終わるかもしれません。

今日、元気が湧いてくるようなお便りをいただきました。昨年の秋も深まった頃、北海道滝川市から角館をお訪ねくださったMさんからの冊子小包です。中を開けてみると、角館を含む旅の写真がカラーコピーされ、一枚一枚にコメントが付されています。もちろん私との記念写真もありました。

Mさんは滝川市で新聞販売店を経営されていて、秋田の旅もそうしたご関係の方々と一緒だったと思います。秋田に入ってから合流されたという、大仙市神宮寺の新聞販売店の方とも名刺交換をしました。
滝川市のMさんは、実に気さくな方でした。初対面とは思えないほど、自然におしゃべりさせていただいた記憶があります。そのときは、旅慣れた人なんだなぁくらいにしか思っていませんでしたが、今日の冊子小包でMさんの“正体”が判明しました。

小包の中に、雑誌の1ページと思えるコピーが入っていました。そこには、Mさんを物語るフリーライターの記述が載っています。

「Mさんは、滝川市で新聞販売店を経営しているが、新聞記者以上に道内各地域の事情に精通している。会社の机には『人がごちそう』という額が置かれ、ネットワークを通して新しい人同士の出会いを仕掛ける。外国人でも高齢者でも障害者でも、面倒見の良い彼のところには、日々全国各地から人が訪ねてくる。中には、わがままでうるさい人もいると思うが、ストレスがないのが不思議だ」

記述はこの先も延々と続くのですが、冒頭のこの部分だけでもMさんの人間性を表していると思うんです。特に、「人がごちそう」には参りましたぁ。意味としては実に良く分かるんですが、こういう言葉の表現は思いもつきませんでしたねぇ。脱帽です。

これからの草履実演で、私もこう言える日を楽しみにしたいです。『人ぐれぇうんめぇごっつぉねーもんダ!』(人くらい美味しいごちそうは無い)。

コメント
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