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増えつづけるトルコに住むシリア人に関して識者が警告

2016年03月12日 | 国内
3月12日 ドイツに住むシリア人の70%は大学卒だが、トルコに住むシリア人の特技所有労働者は2%にすぎないと、ハジェテペ大学の「移民と政治研究センター」が発表し、トルコに住むシリア人に対する差別排除の難しさを警告しました。

 Hurriyet
イスタンブルの街角で物乞いをするシリアの少女。2016年2月14日


同センターのムラト・エルドアン氏は、トルコ在住のシリア人の数は2026年には400万人を超えるだろうと予測しています。「トルコでは毎年、4万5000人のシリア人の子供が生まれているのです。これを管理しそこなったら大変なことになります」と、彼は、国会の難民の権利に関する小委員会で語りました。

ヤルチン・アクドアン副首相はツイッターで、「3月10日現在、内乱を逃れてトルコに来たシリア難民の公的数は273万3784人に達した」と発表しました。「これら難民のうち、28万2815人が、難民キャンプに住んでいます」

今週初めの国会の小委員会で、ムラト・エルドアン氏は、「アフガニスタン、バングラデシュ、イラン、イラクからの難民を含めると、トルコに住む難民総数はおよそ320万人になります。トルコに住む難民の52%以上が18歳以下です」と言いました。

「この子供たちの相当数が学校へ行っていません。子供たちが通っている学校の質もよくありません。4年間、キャンプで暮らしている子供もいます。彼らはトルコ語のコースを受けているはずですが、トルコ語もまともに話せません」と、エルドアン氏は言っています。

「毎日、125人のシリア人の子供が生まれていますが、この数はもっと増えるでしょう。2026年にはトルコに住むシリア人は400万人になるでしょう」と彼は言い、行政もこの問題の対応策に真剣に取り組むべきだと勧告しています。

トルコに住むシリア人で特技を持つ者は2%に過ぎないと思われます。ドイツに住むシリア人は、70%は大学卒で、無学な者は5%に過ぎません。しかし、トルコでは、シリア難民の50%が無学で、大学卒と言っている者は4万人に過ぎません」と、エルドアン氏は国会の小委員会で語りました。

祖国でトラウマを負い、爆弾や殺人者から逃れてトルコに来た子供たちは、まもなく差別を受ける側の人になるでしょう。「いまのところ、シリア人による犯罪記録は多くありませんが、犯罪は増えていくでしょう。われわれはこれに備える必要があります」


またキリス県にロケット弾が撃ち込まれた

3月8日、イスラム国(IS)が発射したロケット弾8発が、トルコ南部のキリス県にヒットし、幼児1人を含む2人が死亡し、2人が負傷しましたが、12日にもまた、シリアから発射されたロケット弾がキリス県の憲兵隊の宿舎の庭と、裁判所の建物近くに着弾しました。

 Hurriyet

憲兵隊の宿舎の庭に落ちたロケット弾は爆発しませんでしたが、建物を損傷しました。治安部隊が現場の調査を始めました。今回の攻撃による死傷者はありません。


ヴァンの丘の上で、城のような建造物発見

イラン国境に近い東部ヴァン県のチャルドゥラン地区で、城のような建造物が発見されました。

 Hurriyet

建物はチャルドゥラン地区ユジェレンの、高さ2000メートルの丘の上の平原にあります。丘の上からはアララット山や近くの居住地が望めます。小石を積んで造られた建造物の高さは約5メートル。

ユズンジュユル大学の考古学部長のラフェト・チャヴシュオール准教授は「写真を見ただけですが、建物の基礎跡から考えて、これは城のように見えます」と言いました。「地面が雪で蔽われているから、現時点では周辺のエリアについてはなにも言えません」

「建物はこの地方で見られる初期鉄器時代の城に似ています。建物の壁の技術は中世のもののようです。塔のような建造物は、私たちはこれまで見たことがありません。塔の石は漆喰を使わず、互い違いに積み上げてあります。この平原には村人たちがいまも訪れる墓地もあります」と准教授は言いました。

「暖かくなってきたら、科学的検査を始めます。検査が始まれば、この平原の機能についても情報が得られ、歴史的ナゾも解明されるでしょう」

Hurriyet

ヴァン博物館のエロル・ウスル館長は、「1人の地元民が写真を持ってきて、私たちは初めてこの建物の存在を知りました。こんな建物は私たちの記録にはありませんでした」と言いました。「博物館のチームが検査し、この平原と建造物が注目に価するものとなれば、目録の載せ、保護します。衛星写真によって、この建物が城のように見えることはわかりました。これから表面の詳細な調査をすることになります」

ユジェレンの住民の1人、トゥルグト・アイさんは、「あの辺りは高いので登るのは大変ですが、夏場、よくピクニックに行く」と言いました。「年寄りの話では、あの辺りに殉教者の墓があったそうです。人々は、夏、あそこにピクニックに行き、祈りを捧げます。私たちも、あの場所の歴史が解明されることを望んでいます」


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