宝塚大劇場まで出かけて、みっちゃんと風ちゃんの退団公演を観てきました。
少し前に、最近のトップスターの退団公演は……駄作続き……と書きましたが、この『桜華に舞え』は佳作と言っていいと思います。
齋藤吉正センセとみっちゃんは相性がいいですしね。
さて、物語は、 “ 人斬り半次郎 ” の通り名で知られる桐野利秋の生涯を描いたものです。
会津戦争、明治維新、西南戦争……と移り変わっていく世の中を、それぞれの信念を貫いて生きる人々の物語です。
実在の人物、オリジナルの人物をうまく交差させて、いろいろな角度から、物語を創り出しています。
齋藤センセの上手い?ところは、あちこちに、泣かせるセリフを散りばめているところで、まんまとその罠にかかって、見事に泣かされました (T ^ T)
さらに、特筆すべきは……歌を聴いてストレスをまるで感じなかったことです‼️
みっちゃんの桐野利秋(半次郎)。
義と真心と勇気をいだき続けた半次郎は、苦労してトップになったみっちゃんにちゃんとあて書きされていると思いました。
おそらく、みっちゃんのように専科に3年も在籍したあとにトップスターになる生徒は、もう出ないでしょうね。
風ちゃんの吹優に対する想いとか、紅子さんの隼太郎との友情とか、美城れんさんの西郷隆盛への絶対的な崇拝とか、どれも自然に納得できる感情でした。
でもいちばんグッときたのは、隼太郎と袂を分かつ場面。
隼太郎から貰った香水をずっと持っていたというのも泣けました。
“ 本気の薩摩弁 ” は全部わかったわけではないけれど、雰囲気でなんとか(⌒-⌒; )
いうまでもなく、歌は絶対的に聴きやすいです (*^◯^*)
紅子さんは半次郎の幼なじみで衣波隼太郎。
半次郎と袂を分かつ場面での「俺が変わってしもうたんか?」という言葉にグッときました。
紅子さんの歌、上手くなっているよね。
かいちゃんは川路利良。のちに警察組織のトップになる人物です。
薩摩の出ではあるけれど、半次郎とはきっちりと袂を分かつ生き方をする人物。
揺らがない信念がはっきりわかる人物でした。
大警視の黒の制服もキリッと似合っています (*^◯^*)
まこっちゃんの八木永輝はオリジナルの人物で、薩摩に、特に桐野利秋に恨みを抱く、元会津藩士という設定です。
えーとね、ワタクシ、八木の気持ちがものすごくわかるのですよ。
何せ東北人ですから、会津藩に思い入れがあるし、薩長よりも幕府軍に肩入れしてしまうのだわ。
と、そんなことはどうでもいいのですが、ひとつ間違うと “ 桐野利秋への逆恨み ” になってしまう役を、まこっちゃんはちまちまとせず、堂々とした生き方として演じていたと思います。
これも、松平容保への義と真心と勇気よね。
西郷隆盛は美城れんさん。
退団が惜しまれてならない好演でした。
みっちゃんとも、あうんの呼吸で芝居ができる感じでしたね。
印象的なのは、半次郎が西郷に持って行った唐芋(さつまいも)を弟?がバカにしたのを窘めたセリフ。
それと、半次郎に鹿児島に帰ろうか?と相談した場面などです。
美城さんが退団したら、西郷とか「風共」のマミーとか「1789」のルイ16世とか、深刻ぶらずに軽快に演じられる生徒さんはいるのかな?
とりあえず主な男役さんについてだけになりましたが……いったんここまで。
もっと観たいのに、次は東京でおそらく11月です。
みっちゃんは演出家に大きなインスピレーションを与える役者なのでしょうね。
いろいろな演出家が、みっちゃんと星組のために作品を創りたいと望んだような気がします。
劇団も、専科に3年もおいて便利に使ってきたみっちゃんの最後は、ちゃんとした作品で送り出してやろうと思ったのでしょうか?
このところの紅子さんの成長は嬉しいですね。もう、出来上がってしまったかと思っていましたから。
『スカピン』楽しみですね。
美城れんさんの退団は本当に残念です。
ショーの美城さんも味がありましたよね)