日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

映画 「ひなぎく」

2009-03-10 | Flower

   1966年 チェコスロバキア映画 ヴェラ・ヒティロヴァ監督 「ひなぎく」

Hinagiku

金髪の姉マリエと髪を結んでいる妹マリエのふたりは、
おしゃれをして男に食事を驕らせ、部屋で紙を燃やし、誰もいないパーティ会場に
入り込んでは料理を食い散らかし、やりたい放題の無鉄砲。

どの画面もファッションやメーク、インテリア、効果音にいたるまで
アヴァンギャルドで独創性にあふれている。

しかしヴェラ監督は、単にかわいい女の子の映画を作ったわけではない。
1960年代のチェコスロヴァキアはソ連の影響で共産主義体制が過去から長く続き
映画を作った2年後には「プラハの春」とよばれる改革運動をひかえている時でもあった。
(ソ連の介入により改革は鎮圧される)

映画の冒頭はセピアの爆撃シーンではじまり、ラストも破壊された街にテロップが入る。
このシーンでふたりのマリエのことば、ふたりの行動が深い意味をもってくることがわかる。

ヴェラ・ヒティロヴァ監督 は次の「楽園の味」もふくめて、反対制的とみなされ
政府から映画の製作を7年間禁じられた。この映画が伝えるメッセージは深く強い。

Sirohinagiku  デージー  和名 ひなぎく

今の季節、小さく愛らしい姿で咲くデージー。日中に花開くことから
「days eye」(太陽の目)がつながってデージーと呼ばれるようになり
ひなぎくの「ひな」は「ちいさい」という接頭語からつけられたという。

花言葉◆純潔、無邪気、平和