日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

ガラスの器に

2010-06-22 | Flower

Sumidanohanabi

 


ガラス器に生けたのは西洋あじさいであるが、ガク咲きで「墨田の花火」

隅田川の花火を連想させるが、
装飾花の形は星のようでもある。
雨にぬれたあじさいは6月の庭にこそ合う。
花火や星のまたたきは夜空で見るが、雨の庭で見る花火や星も悪くない。



M様、あなたのお品を受け取りました。忘れがたい思い出をたどりながら
あなたと分かち合いたかったことを心の中で語ってゆきます。

他に使用した花◆デルフィニゥーム、サンキライ


生田緑地ばら苑へ

2010-06-06 | Flower

小田急電鉄・小田急線に「向ヶ丘遊園地」駅があるが、遊園地は数年前に廃園になり、園内にあったばら苑は市民の要望によって残されることになった。
ばら苑は2002年に川崎市に引き継がれ、市民のボランティアの手によって今も見事な薔薇が咲き続ける。

(左から)
グリーノールズグロー、アンクルウォーター、アイスバーグ、スペクトラ、アプリコーラ

Photo Photo_3 Photo_4Photo_5Photo_6










 

(左から)
ノスタルジー、リバプールエコー、不明(大輪咲き)、ピエールロンサール、シャンドスビューティ

Photo_9Photo_8Photo_7Photo_10P_c
  













Photo_11 

左は見頃を過ぎたために切られてバケツに入れられていた薔薇。
次に美しい花を咲かせるための未来への剪定だ。

薔薇は「愛と美の象徴」「花の中の花」といわれるが、こうした
手厚い管理によっておよそ530種の薔薇は春をいろどり青空の下で咲き乱れる。
          

 

 

 


デスノスをさがして

2010-06-04 | 
フランスの詩人ロベール・デスノスの詩を探していてたどり着いたYouTube。
ルイ・アラゴンの詩をジャン・フェラが歌っている。

ロベール・デスノス(1900年~1945年)
フランスの詩人、ジャーナリスト。アンドレ・ブルトン率いるシュルレアリスム運動に加わったが後に脱退。
占領下時代にレジスタンスに参加するがゲシュタボに逮捕され収容所へ。
翌1945年、テレジン収容所にてチフスにより死去。

ルイ・アラゴン(1897年~1982年)
フランスの小説家、詩人。医学の道を歩むがアンドレ・ブルトンとの出会いがきっかけで
シュルレアリスム運動に参加し、雑誌「文学」をアラゴンらと発行する。
後に共産党員となり、文学もその傾向を深めてゆく。1957年レーニン平和賞受賞。

ジャン・フェラ(1930年~2010年)
フランスのシンガー・ソングライター。ユダヤ人家庭に生まれ、父親をナチ収容所で亡くしている。
50年代にパリの酒場で歌い初め、ルイ・アラゴンの詩を歌ってもいる。
今年の3月に79歳で逝去したがサルコジ大統領が哀悼のメッセージを送った。

アラゴンとデスノスは、初期のシュルレアリスムメンバーの中で、生粋のパリっ子だったことで共通していたという。

YouTubeの画像は削除いたしました。


6月 水無月

2010-06-02 | 日常

Wakimizu
まためぐって来た6月。水無月は水の月。
6月の別名、「風待月」は暑い日が続き、涼しい風を待ち焦がれることから名づけられた。
風待月と呼ばれたころ、太陽は現在よりももっとやさしかったと思う。
しかしクーラーなどない時代、人々は涼を運んでくる風にひと息できる心地よさを託したのだろう。

そして水の恵み。人は水によって生きてゆくことができる。岩を分け入り流れ出る水で生活をしてきた。
水の冷たさは暑さをしのぐ唯一の救いとして様々に役立った。

6月の誕生石は真珠。
真珠は水あるいは月から生まれたともいわれる。
海の底で眠るようなあこや貝から真珠があらわれた時、人はどんな感動と神秘を味わったのだろう。



    白珠(しらたま)は 人に知らえず 知らずともよし
      知らずとも われは知られば 知らずともよし
                        
                    万葉集 巻六 1018 元興寺僧

白珠は真珠のことである。「白珠の価値は人に知られていない、しかし人が知らなくても自分がその価値を知っていれば人に知られていなくても良い」と自分を嘆いた歌であるが、人を励ます力と勇気を含んでいる歌でもある。