山里に温泉が湧く鳴子まで2日間足を延ばした。
こけしをこよなく愛した作家・深沢要は「こけしは鳴子に始まり鳴子で終わる」のことばを残している。
霧がかかる山のたもとで鳴子にはすでに秋が来ていた。
こけし会場で購入した鳴子系のこけし
製作は柿沢是伸(かきざわよしのぶ)工人 10,5cm
柿沢工人はご両親もこけし作家。
このこけしは釣鐘型のような胴体に三段の菊
その間を縫って水色の線が流れている。
ずっと見ていても飽きない可愛らしさ。
小さな口がチャーミング。
鳴子の大沼秀則工人のこけし 18cm
すそに椿の花が二輪あでやかに。
スマートなこけしで全体が白っぽい印象が鳴子ではめずらしく感じた。
上から見ると首をかしげているような表情。
このこけしは鳴子温泉駅に近い「喫茶たまごや」で購入。
製作は鳴子系の吉田勝範工人。 12cm
赤だけで彩色されているのが新鮮。
頬もまるく、赤く。
下の絵はたまごやで製造販売している「こけしのゆめ」というお菓で
こけしに合わせたイラストが若い感性で描かれていて
思わず買いたくなってしまった。
こけし祭り会場では他の系統のこけしも購入したが今日は鳴子こけしだけにとどめて。
そして鳴子の町はどこを向いてもこけしの絵柄のものが目に入るこけしの聖地。
鳴子温泉駅前にこけしで区切られた歩道。
駅を降りたとたんこけしの町であることを実感。
向かい合わせに設置されている。
(右) 掲示板のそばにある看板
(右) 消防車にもこけしが描かれている
左はユニークなこけし型の提灯。右はマンホールのこけし。
他にもタクシーの屋根にもシャッターにもこけしが描かれていて、まさにこけし王国。
鳴子こけし祭りの時はこけしのパレードがあり町はにぎわうという。
この日は全国的に雨の日で、 パレードは中止になったが
お神輿は鈴の鳴る音が夜の町に響き、雨の中を熱く練り歩いた。
目に残っているあの音もざわめきも、今思えば山里の中で体験したまぼろしのようにも思える。