日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

青もいいね

2014-09-03 | こけし

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今年の4月に原宿のBEAMSで購入した
遠刈田系の佐藤康弘工人のこけし。4寸 

インディゴブルーを着たこけしは色々あり
他に柄違いで2本連れて帰ったが
このぼかしも涼しげで気に入っている。

このすまし顔と胴体のバランスが何とも可愛らしく
童話に出てくる少女がこけしになったようだ。

 


3寸シスターズ

2014-03-27 | こけし

Y_satousan 
三体並んだこけしは遠刈田系の佐藤康広工人の作品。3寸
佐藤工人はこけしを作り始めてからまだ4年くらいだろうか。

会社員を辞め、お父様の佐藤正廣工人のもとで修行を重ねた。
木地師でもある康広工人は
ミニチュアの茶道具なども作り
その精巧な技術は高く評価されコンクールで入賞もしている。

手に収めると、胴体の細さにそっと握りしめたくなる可愛らしさ。

顔を並べた三姉妹の命名は胴体の模様から
おあさ(朝顔)、おきく(菊)、おせん(線)


かすかな微笑み

2014-01-20 | こけし

Konomisan



ほわ~と筆を引いたように柔らかな描彩。
野で草花を摘んでいるのが目に浮かぶような少女。

製作は木地山系の阿部木の実工人。 6寸

東北はまだ雪が深いけれど、蝶が飛ぶような季節に
なったら、花もこのこけしのように咲くだろう。


色白で涼やか

2013-12-16 | こけし

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新しいこけしは次々と登場するが

この「たこぼうず」はやはり持っていたいこけし。

土湯系の荒川洋一工人の作品。5寸

水色と黄色やオレンジ色の淡いろくろ線がさわやか。

色白の君は何思う。

おとなしげだけれど笑いかけてくるような。


古典にしてモダン

2013-11-10 | こけし

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このこけしを前にすると弥勒菩薩のような表情にいつも見入ってしまう。
両脇に細く引かれた髪の毛の美しさと頭部にくるくると描いた飾りが優雅。
作者は弥治郎系の佐藤辰雄工人(幸太型) 6寸

胴体は、赤、紫、黄の縞模様を下半分だけに描いたのが斬新。
頭に小豆が入っているので振るとカシャカシャと良い音がする。
佐藤辰雄工人は2011年に逝去したと聞く。
新しいこけしをもう手にすることが出来ないのが残念である。


無垢な表情

2013-10-09 | こけし

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どこかを見るともなしに見ているような表情のこけしは
津軽系の五十嵐嘉行工人の作品  7寸4分

 

黄色や赤、紫などのはっきりした縞に線だけで描いたあやめの花模様。








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こちらも五十嵐工人のこけしで、口をへの字に曲げているのが無邪気でかわいい。
上のこけしよりも小さく身長は5寸 間宮明太郎型

同じ太さの胴体に模様もシンプルで髪も飾りをつけず
笑わない表情なのに五十嵐工人のこけしはぐいぐい引き込む魅力がある。


第59回全国こけし祭り 鳴子

2013-09-13 | こけし

山里に温泉が湧く鳴子まで2日間足を延ばした。
こけしをこよなく愛した作家・深沢要は「こけしは鳴子に始まり鳴子で終わる」のことばを残している。
霧がかかる山のたもとで鳴子にはすでに秋が来ていた。

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こけし会場で購入した鳴子系のこけし
製作は柿沢是伸(かきざわよしのぶ)工人 10,5cm

柿沢工人はご両親もこけし作家。
このこけしは釣鐘型のような胴体に三段の菊
その間を縫って水色の線が流れている。
ずっと見ていても飽きない可愛らしさ。
小さな口がチャーミング。







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鳴子の大沼秀則工人のこけし 18cm



すそに椿の花が二輪あでやかに。
スマートなこけしで全体が白っぽい印象が鳴子ではめずらしく感じた。
上から見ると首をかしげているような表情。






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このこけしは鳴子温泉駅に近い「喫茶たまごや」で購入。
製作は鳴子系の吉田勝範工人。 12cm

赤だけで彩色されているのが新鮮。
頬もまるく、赤く。

下の絵はたまごやで製造販売している「こけしのゆめ」というお菓で
こけしに合わせたイラストが若い感性で描かれていて
思わず買いたくなってしまった。





こけし祭り会場では他の系統のこけしも購入したが今日は鳴子こけしだけにとどめて。
そして鳴子の町はどこを向いてもこけしの絵柄のものが目に入るこけしの聖地。
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鳴子温泉駅前にこけしで区切られた歩道。



駅を降りたとたんこけしの町であることを実感。
向かい合わせに設置されている。

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                                  (右) 掲示板のそばにある看板





 

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電話ボックスの上にもこけし






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                            (右) 消防車にもこけしが描かれている






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左はユニークなこけし型の提灯。右はマンホールのこけし。






他にもタクシーの屋根にもシャッターにもこけしが描かれていて、まさにこけし王国。






鳴子こけし祭りの時はこけしのパレードがあり町はにぎわうという。
この日は全国的に雨の日で、 パレードは中止になったが
お神輿は鈴の鳴る音が夜の町に響き、雨の中を熱く練り歩いた。
目に残っているあの音もざわめきも、今思えば山里の中で体験したまぼろしのようにも思える。


模様は水玉

2013-08-29 | こけし

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ユニークな顔立ちに水玉で装ったこけし。
製作は鳴子系の森谷和男工人。3寸

森谷さんは現在85歳くらいになるのだろうか。
鳴子の伝統的なこけしを作っていたけれど
このように自由に自分が楽しんだように作ったこけしも魅力的。

頼もしい顔で面倒見が良さそうな表情。
身近にこういう人がいて、あのねと言えば話を聞いてくれそうな。
そして胴体は可愛らしい水玉。
このアンバランスが気に入っている愛しのこけし。


コケーシカ4周年記念うちわとフラこけし

2013-08-07 | こけし

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鎌倉にあるこけしのお店コケーシカが4周年を記念して作られた可愛いこけし団扇。

 

もう立秋が過ぎたというのに猛暑が続く。
使うにはもったいない可愛らしさだが、この団扇で涼しさを感じたらきっと幸せな風に違いない。





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          そしてコケーシカで目に留まった「フラこけし」
          製作は弥治郎系の佐藤美喜子工人。9.5cm


          ハイビスカスの花で胴体の前と髪の両サイドを飾りおしゃれをしたこけし。
          二重まぶたに睫毛が2本ツン。
          ALOHAと愛嬌ある胴体も愛らしい形。


ほんのり赤く

2013-07-08 | こけし

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福島・土湯系、瀬谷幸治工人のこけし。6寸
目のまわりがほんのり赤く。
このタイプのこけしは「たこぼうず」と呼ばれる。

休業中だった瀬谷工人が復帰して作られたこけしで
はっきりした色彩とヘアスタイルが個性的。
鎌倉「コケーシカ」で昨年めぐりあった。


前髪ギザギザ

2013-05-28 | こけし

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まん丸頭に前髪ギザギザのこけしは
鳴子系(本庄)の菅原修工人の作品。5寸。


菅原工人は1971年(昭和46)から鎌倉で修行をし
昭和53年に秋田へ戻り、そのまま修行を続けて
58年から本格的にこけしを作ったという。

頭の丸みが何とも可愛らしく
眠たいのかぼんやりしているのか・・・。
そんな表情も気に入っている。

 


真っ赤な衣装

2013-04-14 | こけし

Mikikosan

 
黒の細いろくろ線に鮮やかな赤が染みたように
色づけされた胴体が優雅でスマートなこけし。
六寸サイズ。
ひとめぼれしてしまった。

作者は福島・土湯系の野地三起子工人。

三起子工人は結婚されて本名を佐藤さんというが
昨年お父様であり師匠でもある野地忠男さんが亡くなったため
旧姓で工人名にした。

髷と顔の輪郭、胴体のバランスが絶妙。
そして、とびきりべっぴん。





雪の中で

2013-02-14 | こけし

Yujisan 
こけしを雪の中で一度は写真を撮りたかった。
雪は、こけしにとってもふるさとのようなもの。
景色が合う良い場所が見つかった。

写真は木地山系・高橋雄司工人のこけし。
2月9日「秋田こけしまつり」で購入。
以前に初めて木地山系のこけしを手にしたのが高橋工人だった。

♯(井桁)と赤い花柄が可愛らしいこけしは今年の製作とのこと。
親切に応対してくださった高橋工人。

雪景色に端正な顔立ちが溶け込み、しばらく見入っていた。


着物もコーディネート

2013-01-10 | こけし

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木地山系・阿部市五郎さん製作のこけし。

おめかししているのが気に入って私のところへ来てもらった。
鎌倉のコケーシカで出会った。

着物に描かれている花も辛子色は桜、赤にはあやめ。
帯も繊細な模様入りでコーディネート。

このこけしを見ていると秋田の雪や、
窓辺に灯ったほのかな明かりが目に浮かぶような。
ここから見える景色は山も雪もないビルや家。
心地よい郷愁を感じるいとしいこけし。