日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

大晦日 2012年

2012-12-31 | 日常

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一年が終わろうとしている。

触れたこと、

刻まれたこと、

消えたこと、

贈られたこと、

そんなふうに光が揺らいだ一年。

誰もが自分でしかあり得ない一年で

あったように。


星はめぐり

2012-12-25 | christmas

Cardornament


昨日、道に人は少なかった。
それでもいつもと変わらない用事や仕事で動いている街の風景。

年々クリスマスの意識は薄れていく。
そしてしきりに思う幼い頃のクリスマス。
雪が積もったレンガ模様の木の鉢に立つツリーは子供の私にはとても大きく見えた。

そこに飾られた銀のトップスター、モールのサンタクロースや
ステッキ、ろうそくの飾り。
わくわくした特別な日だった。

「なつかしい、美しい考えは宝石のように胸にしまっておくほうがすてきだわ。だんだん大人になるのは楽しいに違いないけれど少しあたしの期待にはずれたところもあるわ」    『赤毛のアン』 より


STEVEN ARNOLD エンジェルズ・オブ・ナイト 

2012-12-21 | アート・文化

Steven_arnold 
スティーヴン・アーノルド(1943~1994年)

写真界の異端児スティーヴン・アーノルドは闇の中に劇場を作る。
その写真は神話、歴史、絵画、宗教などからイメージされ
彼の魔術によって異様でありながら退廃的な物語が生まれる。

服飾デザイナーを母に持ち、クリエイティブな環境で育ったアーノルドは
幼い時からマリオネットを自分で作ったりしていた。


ジャン・コクトーやC・G・ユングも好きだった彼は
短編の映画撮影、監督など映像で活動を続けていたという。
若い時はサルバドール・ダリと一緒だった時もあり、この肖像写真もどこかダリを思わせる。

Angels_of_night 
ANGEL OF NIGHT


写真集のサブタイトルになっているこの「エンジェルズ・オブ・ナイト」は
代表作品ともいえる写真。
やわらかな羽根が大きくゆったりと動きそうな幻想にみちている。






Celestial_overseers Memories


光と影を自在に操るアーノルドの画像。そこには森羅万象あらゆる美が輪舞する。
それは不思議な虚構の彼方へと見る者を誘い
まるでこの世に時間など存在しないかのような感覚を呼び起こす。


茶系でクリスマス

2012-12-19 | christmas

Swag2012 



今年のドアスワッグは
扉の色に合わせて茶系で。

モミの土台は濃い緑が国産、
薄い緑のほうが輸入物のモミ。




Momibrown


右は、あめ色になったモミの枝。昨年使ったモミをそのまま保存していた。
輸入のモミは葉が落ちにくいので保存も簡単。

鉄製の花器に茶系のガラスオーナメントとリボンを配して。


二輪の花

2012-12-13 | こけし

先月の横浜・人形の家の「鳴子こけし祭」で会ったこけし。作者は高橋義一工人。

緑の縞々にパッと華麗に開いた菊の花。
鳴子こけしは菊が様々に咲き競う。

おとなしい表情でじっとたたずんでいる。


カタログ ジャン・コクトーと地中海

2012-12-12 | Jean Cocteau

Mediterranee


Jean Cocteau et la Medeterranee


コクトーの生誕120年を記念して2009年10月から翌2010年1月まで、
コクトーと地中海をテーマにマルセイユで開催された
「ジャン・コクトーと地中海」展のカタログ。
出版はRegards de Provence




展示された作品は、絵画、写真、タピスリー、陶器、宝石など。他の作家によるコクトーの肖像画なども含め
カタログには約150点の作品が掲載されている。
カタログではあるが写真集のように立派で見事な1冊に仕上がっている。


2medeterranee










「地中海」と題された横長のタピスリー。
フランス中部の街、オービュソンの伝統技術であるオービュソン織り。


3mediterranee





「カンヌのフェスティバル」



コクトーが愛した南フランスの海辺。
そこは詩人が夢見ることが出来た場所であり
太陽と波、夜の星々さえも詩の女神となってコクトーに語りかけた。


菊 ゼンブラライム

2012-12-06 | Flower

Zenburaraimu

ダリアのような大きさと形。
ライム色がはなびらの縁を囲む。

キクの古い呼び名「クク」は「くくる」から由来する。
小さなはなびらをしめくくっているように咲く形から統一、統御などの意味を持つという。

一緒に合わせたのは大きな葉のユーカリとパールアカシア。

中村勘三郎さんが昨日亡くなった。
まだこれから本物の芸を見られる私たちの喜びを置き去りにして。
もう体の苦しみが終わったのなら、せめてあの世で好きな芸のために邁進を。