日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

1月29日の東京タワー

2013-02-25 | 日常

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先月1月29日、母に真近で東京タワーを見せようとタワー近くのホテルに宿泊した。

29日の東京タワーのライトアップスケジュールをHPで見たら
「17:30以降消え、イベントに合わせてサーチライト照射」とあった。

その時はイベントとサーチライトが何なのかわからず、
それでも母が景色を見られたらと高層階の部屋に予約した。

夜になり、東京タワーは七変化。
赤、ブルー、紫、ピンク、グリーン・・と次々に色が変わりだした。



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テレビでauスマホのCMを見てサーチライトの意味を納得。

東京タワー下の増上寺で、きゃりーぱみゅぱみゅのイベントがあったという。
auの参加型イベントで、アプリによって
東京タワーの色をコントロールする仕組みだったらしい。





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東京タワーの色の変化を街で見たら、
いつもと違う色彩で新鮮かも知れないと目の前で変わる七変化を見ていた。


夜になるとホテルの部屋から見る増上寺は真っ暗になる。
しかしひときわ赤や緑のライトが眼下に遠く見えた。
それがauのイベントだとテレビで知った。





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まぶしいライトだったのでズームで何とか部屋からカメラに収めたが、
きゃりーぱみゅぱみゅと参加者が
増上寺で時代を変えてゆくパワーをみなぎらせていたのだ。

 

東京タワーは8時頃。
右の写真は9時頃の撮影

 


冬の盛岡を散策

2013-02-18 | まち歩き

小雪が散らついた休日、盛岡の歴史を感じる紺屋町あたりを散策した。
遠くに岩手山をのぞみ、中津川にかかる「中の橋」を往来する人々はいつもと変わらないようにそこにいる。初めて行った冬日の充実した旅。

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旧盛岡銀行


明治の頃より現在も営業を続けている旧盛岡銀行は白の花崗岩がアクセントの優美なルネッサンス様式。





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設計は「赤れんが」で知られる東京駅と同じ設計の辰野金吾と工学士の葛西萬司。
1911年(明治44)に3年の歳月をかけて建てられた。


ひときわ目を引く洋館で、中の橋のたもとにたたずんでいる外国のような風景は叙情的。







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盛岡信用金庫


旧盛岡銀行の斜め向かいにあるこの銀行は、旧盛岡貯蓄銀行。
神殿のような太い柱が並ぶ勇壮な外観。
設計は葛西萬司。






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ござ九(ござく)


盛岡では有名な老舗の荒物雑貨店。
つららも家屋の一部のよう。





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藩政時代からの面影が伝わるござ九の家屋。盛岡市の保存建築物に指定されている。歴史を語るたたずまい。






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必要な生活用品が清潔に並べられたござ九の店内。
あけびの籠を思い出に買った。









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紺屋町番屋


大正期に建てられた火の見櫓が目印の番屋。
赤い屋根のモダンな望楼。






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旧井弥商店


明治初期に建てられた黒漆喰の商家。
当初は呉服問屋だったが、蔵を改造して現在はパンをはじめ食品を販売。
宝物をさがすような不思議な店内。





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喫茶 車門


土蔵の外観に魅了される喫茶店。
ミステリアスな入り口から中に入ればクラシカルな雰囲気が広がる。






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静かで落ち着いた気分でコーヒーを味わう。忘れられない味だった。








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小原写真


車門の前にあるマーメイドが目印の写真館。
斬新にして古典。






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大きなマーメイドのレリーフは小原写真の看板を両手で支えるデザイン。








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光原社


宮沢賢治の「注文の多い料理店」を発刊した出版社で、光源社の名は彼が名づけた。

ここは宮沢賢治の資料館をはじめ、喫茶店や雑貨など現在の光原社のすべてを網羅した夢のような空間。






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その界隈の一角、可否館。
狭いながらも大きな窓からは賢冶がここを歩いているような風景を見ることが出来る。









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喫茶 六分儀


グレーの両扉にカーテンがかかった素敵な喫茶店。
中はシンプルなのにどこかノスタルジック。







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シャンソンが流れる店内。
コーヒーの香りの中でもっと落ち着いていたかった喫茶店。
小窓で会計をするのが可愛らしい。


雪の中で

2013-02-14 | こけし

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こけしを雪の中で一度は写真を撮りたかった。
雪は、こけしにとってもふるさとのようなもの。
景色が合う良い場所が見つかった。

写真は木地山系・高橋雄司工人のこけし。
2月9日「秋田こけしまつり」で購入。
以前に初めて木地山系のこけしを手にしたのが高橋工人だった。

♯(井桁)と赤い花柄が可愛らしいこけしは今年の製作とのこと。
親切に応対してくださった高橋工人。

雪景色に端正な顔立ちが溶け込み、しばらく見入っていた。


雪に祈り雪に親しむ 秋田犬っこまつり 湯沢市

2013-02-12 | まち歩き

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雪の日が多い秋田の祭りとして、江戸時代の元和(げんな)の頃から
400年も続いている「犬っこまつり」を9日に楽しんだ。

1600年代のその頃、人家が盗賊に襲われたため
湯沢の当主(佐竹南家)が退治し、
米や粉で犬を作ったことが祭りの起源とされる。
会場には秋田の中学校や企業が参加して雪でお堂や犬を象り
水神様を祀ってお酒などを供える。





湯沢の商店街にも、店先に小さな雪のお堂が並ぶようにいくつも作られていた。


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夜はライトに照らされて雪の白さが夜空の下でいっそう輝き出す。
どの子供も犬に乗ったりすべったり雪の遊びを楽しんでいる。







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花火が冬の夜空を彩る。
雪んこの姿はこの祭りが北国のまつりであることを感じさせる可愛い存在。
地元の高校生のボランティアだという。








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冷たい風が吹いてもお堂の中に灯されたろうそくが
ほのかな暖かさを送ってくれる。







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会場を縫うように雪の壁に灯された明かり。
炎で溶けた形は思いがけないロマンを作り出す。

雪と灯りが人々を包んだ秋田の祭り。
それはここに住む人々の幸せを願い、雪とともに生きる冬の宵を楽しむ祭りでもあった。


夜の組曲 山下正次

2013-02-04 | 


あの暗い空の

深みから浮き出た

うす青い形象文字を

見落としてはならない

それには

時間と距離の歴史が

綴られているのである

            山下正次 「夜の組曲」 プレリュードより抜粋




歌舞伎の市川団十郎さんが夭折した。
あのダイナミックな舞台は永い時間をかけて全身に修めた芸だ。
昨年の中村勘三郎さんと同じように
天国へ行ってしまうにはあまりに早い年齢なのに。
団十郎さんの染み入るような優しさと
圧倒的な舞台姿を
4月にオープンする歌舞伎座も待っていたと思う。