日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

3月31日(火)で閉店する「東急百貨店東横店」の西館・南館

2020-03-29 | 日常

渋谷駅にターミナルデパートとして
1934年(昭和9)に誕生した「東横百貨店」(後の東館)。

最初にオープンした東館は
2013年(平成25)に東横線の地下化とともに姿を消し、
その後も営業していた西館と南館が今月の31日で閉館する。


西館 スクランブル交差点から


南館 渋谷プラザフクラス側から

「東急本店」は1967年(昭和42)に東横店に変わって文化村通りに誕生したが
我が家から1番近いデパートだったのが「東横店」だった。
これで全館がなくなるのは本当に寂しい。

1月から店内で開催されていた「東横デパートの思ひ出展」では
85年間の貴重な歴史に触れられ
嬉しくもあったが、寂しくもある思いひ出展だった。


開業した時のポスターデザイン



↓ 展示されていた資料から


開業した「東横百貨店」竣工図 設計:渡邊仁建築工務所




10周年を記念した謝恩祭




かつて旧東館と西館の屋上を結んでいたロープウェイ「ひばり号」
1951年(昭和26)~1953年までの2年間の運行。
今ではとても信じられないが、空中まで遊園地にした夢のような時代。
子供専用だったがとても高く感じる。
右下が現在のスクランブル交差点ではないかと思う。




忠犬ハチ公の前の子供たち


ファイナルのため東横店で復刻された記念品。

家にも何枚もあった昭和40~50年代に使われていた紙袋が復活。
懐かしい。右の桜模様は今回の限定デザイン。



「横浜十番館」のビスカウト入りの缶。
数が限られていたので、かなりの行列だったが私もこの時は並んで購入。

「ITOYA」渋谷店限定のファイナル紙袋

ハチ公とスクランブル交差点が描かれている。



記念のカード。

見慣れた風景がなくなり大きく変わる渋谷の街。
スクランブル交差点から見る渋谷駅も又変わり
さらに未来へと飛ぶ街になる。


永遠のソール・ライター展 Bunkamuraザ・ミュージアム

2020-03-27 | アート・文化

渋谷のBunkamuraミュージアムへ2月14日に見に行った「ソール・ライター展」。
どんな写真があるのかと心待ちにしていた展示会だった。




2006年、ドイツのシュタイデル社から
ニューヨークの写真家ソール・ライターの初の写真集が出版された。
その反響は大きく世界中が熱狂したという。
その時ソール・ライターは80歳を越えていた。

1950年代にはファッションフォトグラファーとして
「ハーパーズ・バザー」「ELLE」「VOUGU」の仕事などで活躍したが
その後、表舞台から姿を消した。

2006年の写真集によって脚光を浴びたソール・ライターの写真が人々の心に響いたのは
一瞬の風景や人の表情、
そこにある気温や空気さえもフイルムに収めた彼の個性に他ならない。

「無題」1955年


「セダン」1950年



「夜のバス」1950年


「ショッピング」1955年


「無題」1950年



身近な所にも物語はあるもので
どんな視野でその場を見つめるのか
ソール・ライターは自分が住むニューヨークの街を歩き
偶然というその瞬間を
彼自身の感性でシャッターを押した。

展示会の後、
映画「ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」を見た。



写真はもとより、彼の生き方を追ったドキュメンタリーで
特別が必ずしも幸せなのではなく
自然に、素直な自分でいる事こそ本来の自分なのだと
何にも流されないソール・ライターの姿があった。

展示会は1/9(木)~3/8(日)だったが
コロナウイルスのため 2/28日(金)から展示会が中止になったまま終了し
残念だったが懸命な対策だったと思う。

開催されていた時のBunkamuraのショーウィンドー。


それでも花は咲いて

2020-03-25 | まち歩き

自粛ムードなのでなるべく日常の買い物だけの外出で済ませるようにしている。
外で見かけた花はそれでも季節の顔を見せていた。

ユスラウメ


しだれ桃


ブルーベリー


油断出来ない状勢になってから2か月になる。
外へ出てもコロナを意識する昨今。
桜も見たいけれど今年は無理をしない。
早く安全な状況になることを祈るばかり。


ハマスホイとデンマーク絵画展 東京都美術館

2020-03-20 | 絵画



デンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイの絵画展を昨年から待ちわびていた。
感想が今頃になってしまったが、開幕翌日の1月22日に見に行った。


上のフライヤーの絵は
「背を向けた若い女性のいる室内」1903~04年。
ハマスホイの代表作で、
額縁と、蓋が閉じられたピアノの上に置かれたパンチボール、
そして背を向けたの女性の三位一体のような調和と画家のまなざしを感じた。

「画家と妻の肖像」1892年

1891年に画家仲間のイーダと結婚したハマスホイ。
以後、室内画に登場するモデルとして欠かせない存在であった。

「クレスチャンスボー宮廷礼拝堂」1910年

沈んだ色彩にただよう瞑想的で詩情あふれる礼拝堂。

「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」1910年

両開きの扉の向こうでイーダがピアノを弾いている。
イーダはピアノが得意だったようだという。

「カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレズゲーゼ25番地」1910~11年

ハマスホイ晩年の作品。
限られた色彩と簡素な設えが生む造形美。

ハマスホイが描くグレートーンの室内は静まりかえり
ストイックでありながら、わずかな光による陰影の美が心に残った。


この展示会ではハマスホイの作品以外に
デンマークの「黄金時代」と呼ばれた当時の作家たちの絵も展示されていた。

「きよしこの夜」ヴィゴ・ヨハンセン 1891年

19世紀末のデンマーク絵画を代表する作品のひとつ。
ヒュゲ (心地良い、くつろいだ) の様子を
輝くツリーを囲んで母と子や友人たちが歌い踊る団らんを描いた温かな作品。

「夕暮れ」ユーリウス・ポウルスン 1893年

はっきりとした輪郭はなく全体がぼやけ
たそがれる光が揺れてゆくような旅情的な風景。

ハマスホイの作品の展示が思ったより少なかったが
描いたのは日常の部屋なのに圧倒的な印象で迫り
研ぎ澄まされた空気感は
慎み深く、まるで沈黙しているかのようだった。

2016年に公開された映画「リリーのすべて」の画像は
ハマスホイの絵画からインスピレーションを得て色彩が決められた。

1月21日(火)から始まり3月26日(木)までの会期だったが
コロナウイルスのため3月13日(金)で閉幕している。

ハマスホイ展のロビーで


宇野亞喜良さんのカレンダー2020

2020-03-15 | 宇野亜喜良

今年の宇野亞喜良さんのカレンダー。
表紙をはじめ、月ごとにイラストに詩が添えられ
どの月もレイアウトのセンスが素敵で
文学的であり、夢を誘う嬉しいカレンダー。




1月のイラスト 詩「私はロバを好きだ」フランシス・ジヤム


8月のレイアウト 「バラード」から
ジャン・コクトー、ピカソ、エリック・サティの文字


11月 「甲冑」ジャン・コクトーの詩
2枚重ねで下の紙にはイラスト、そして上のグラシン紙に詩が。



詩はマリー・ローランサン、ツルゲーネフ、レミ・ド・グールモン、
ジャン・コクトー、ジャック・プレヴェール、寺山修司など。


渋谷の東京メトロ銀座線

2020-03-10 | まち歩き

3か月ぶりの更新。その間の記憶に残したい記事を少しだけ追って書きます。

今年の1月3日にリニューアルした東京メトロ渋谷駅の銀座線。
初詣に出かけた1月5日に初めて利用した。



目を引くのが、近未来的なイメージがする天井の白いМ字型のアーチ。
ホームの幅も広くなり開放的になった。



旧銀座線は、東急百貨店東横店の3階にあり
デパートの中に地下鉄が走って行くという稀な構造だった。

それでもまだ工事は続き、年内にはホームドアが設置されるという。

下の画像は工事中だった頃の銀座線ホーム。
明治通りとバスターミナルの上なので宙に浮いてるよう。
渋谷ヒカリエの真横を走って行く。
右の白っぽく見える通路はヒカリエへ向かう連絡通路。


渋谷駅構内の立体図 (東京メトロ公式サイトより引用)

地下5Fから地上3Fまでの恐るべき「迷宮構造」。
上のオレンジ色部分が銀座線(3F)
下のベージュ部分が私が利用する東急東横線(B5F)

大工事で巨大化し、複雑になった渋谷駅。
地上に出るまで何回迷子になったことか。