ぼくが小鳥に
ぼくが小鳥になれば
あらゆる明日はやさしくなる
食卓では 見えないが
調和がランプのようにあかるい
朝 郵便配達夫は花圃(かほ)を忘れる
歳月を忘れ
少女は時を見捨て
ぼくには 空が青いばかり
そこに世界はあるだろう
新しいすべての名前たちもあるだろう
だがしかし 名前の外側では無窮の不幸もあるだろう
小鳥となるな
すくなくとも ぼくはなるな
手でふれてみない明日のためには
寺山修司「ぼくが小鳥に」 三つのソネットより
ぼくが小鳥に
ぼくが小鳥になれば
あらゆる明日はやさしくなる
食卓では 見えないが
調和がランプのようにあかるい
朝 郵便配達夫は花圃(かほ)を忘れる
歳月を忘れ
少女は時を見捨て
ぼくには 空が青いばかり
そこに世界はあるだろう
新しいすべての名前たちもあるだろう
だがしかし 名前の外側では無窮の不幸もあるだろう
小鳥となるな
すくなくとも ぼくはなるな
手でふれてみない明日のためには
寺山修司「ぼくが小鳥に」 三つのソネットより