今から約80年前に実在したリリー・エルベの実話をもとに
トム・フーバー監督が映画化した作品。
当時はまだ理解されない性同一障害に苦しんだリリーを
感動的なまでに支えた妻ゲルダの深い愛によって
リリーとなって生きることが出来た生涯を描いている。
1928年、デンマーク。
風景画家のアイナーと肖像画家で、アイナーの妻・ゲルダは
お互いに絵を描いて生活をする仲睦まじい夫婦だった。
ある日、ゲルダから急遽モデルを頼まれたアイナーは
靴下をはき、白いドレスを当てた時、
自分の中に潜んでいた女性に目覚め、うちふるえるのを感じた。
アイナーは密かに女性の服を身に着け
娼婦館に行って女性のしぐさまで研究して次第に
「女性リリー」に近づいていく。
ある日アイナーが男性とキスをしているのを見たゲルダは
彼を問い詰めるが
リリーとして生きたいアイナーの思いは揺るぎないものになってしまった。
ゲルダの苦悩は深く、「アイナーに会いたい」と、リリーに訴える。
また自分の体と心が一致しないリリーの心も葛藤に苦しんでいた。
しかしリリーは妻に対して変わらずに優しく接していたし
ゲルダもリリーを理解するようになり、
共に試練の道を歩いていくようになった。
リリーは女性になるために
まだ誰も試みていない困難な適合手術をうけるためドイツへ向かう。
笑顔で見送るゲルダ。
しかし二度目の手術は成功せず、ゲルダに見守られてリリーは天国へと旅立った。
予告編でこの作品を知り、ぜひ見たいと思っていた。
監督は「レ・ミゼラブル」「英国王のスピーチ」などを手がけたトム・フーバー監督。
主演はエディ・レッドメイン、その妻ゲルダにアリシア・ヴィキャンデルが演じた。
画像は絵画のようであり、当時のデンマークの画家、ヴィルヘルム・ハンマースホイの作品から
フィーチャーして製作された。
実際にスクリーンで見ると、やはり秘められたものを
見るようでドキドキしたが
本当の自分になるため、次第にリリーとなっていくアイナーの
ひたむきさは悲哀を感じ、涙をさそう。
そして未亡人となった妻ゲルダは生涯リリーの絵を描き続けたという。