3/16(木)~4/9(日)まで日本橋で開催されている「桜フェスティバル」。
ディスプレイからファッション、グッズ、食に至るまで桜一色の華やかさだった。
日本橋高島屋
正面玄関に飾られた池坊専永家元による飾花。(28日まで)
霞がたなびいているような春のひととき。
日本橋三越本店
(左) 正面入り口に桜の暖簾。
(右) 外壁には「越後屋 お主も春よのう。」と粋なキャッチコピー。
そしてちょうど通りかかった「クラシックスカイバス」
コレド室町の桜ゲート
コレド室町1とコレド室町2の間の通路では天井に薄布の短冊。
そして床を川に見立てたマッピングが色を変えて変化していく。
空に舞い水面に流れるまぼろしの桜。
三井住友信託銀行 日本橋店の桜色のライトアップ
まるで外国のような佇まい。
この通りは「江戸橋通り」で道をはさんだ左隣が三越本店。
福徳神社 (芽吹稲荷)
コレド室町の隣にあるここの桜みくじもピンク。
フリーペーパー「日本橋ごよみ」No.78
現在は日本橋の上に2本の高速道路がかかって興ざめだが
まだ抒情的だった頃を描いた絵。
こんな情景を実際に目に出来たら。
この魅惑的な響きは女性が特別な夜を過ごす夢のような時間を感じさせる言葉だ。
三島は夜会服にとりつかれた瀧川夫人が周囲に及ぼす波紋を絢子(あやこ)を通して描いていく。
そしてその夜会服がどれほどの意味を持つかを。
乗馬クラブで製薬会社の社長令嬢・絢子を見初め、自分の息子・俊夫と結婚させる。
節度をわきまえた聡明で美貌の絢子。
そして俊夫は非のうちどころのない完璧な男性であった。
俊夫は母の夜会好きに嫌悪感を抱いていた。
結婚によって母から離れ、新しい生活がスタート出来るはずだったが
2人には常に瀧川夫人の影がつきまとう。
母と夫の間で中立を保つ絢子は揺れ動き、
いっぽう俊夫は上流階級に生まれた運命に孤独を感じている。
宮様や各国の大使夫人が出席する晩餐会やパーティ。
気の抜けないそうした会合を無事に成功させなければならない任務。
瀧川夫人はそのために一流の仕立てで夜会服を新調する。
しかし俊夫はそれを理解できない。
それでも続けなければならない瀧川夫人に広がる孤独。
それは夜会服に隠された夫人の心の闇だった。
かなり前に古書店の棚で目についたこの本。
痛みが激しく買うのをためらったがカバーが宇野亜喜良さんの絵だったので
購入し、今でも大切にしている。
1967年 集英社
恵比寿のLIBRAIRIE6へ野中ユリ展を見に。
入り口を入ると、妖精たちの森、コリントン卿登場、ことばの食卓など
限定本の貴重な本が並び、手に取って見ることが出来る。
展示作品は初期作品をはじめ、デカルコマニーや最近の作品も展示。
うたた寝で見た水晶の彼方、
秩序未満のギリシャ神話…。
横たわっていた私の意識に硬質なロマンが刻まれた。
朝はゆうべからの雨で気温も低め。灰色の空に細かな雨。
でもこんな時は花をあしらい気分を新たにしたい。
少ない花材でも何気なく目に入った時に花がある幸せ。
使用した花材
チューリップ(パロット)、スートピー、おきな草、スキミア、グリーンマム
6年
信じられないほど大きな災害をもたらした東日本大震災から6年。
月日は流れ、復興の模様もテレビでは流れている。
でも。。。
あの時を忘れたい人と、忘れてはいけない事と。
年を追うごとに想いは複雑だ。そしてむなしい。
眠っていた植物が咲き出し、目を楽しませる季節になった。
フラワーショップに出始め、見ると元気が出るような気がするミモザ。
木はまだ満開にはなっていないけれど
あと少しで、風に揺れ輝くミモザを見ることが出来る。
イタリアでは3月8日は「ミモザの日」で
男性が女性に日頃の感謝を込めてミモザを贈るのだとか。
日本でもミモザにちなんだイベントがあちこちであるそう。
昨日は雛まつりの日だったのでちらしずしを作った。
毎年ほぼ同じ具材で作る。
料理写真を初めて載せる恥ずかしさ。
(パラパラと散らしただけで料理とはいえないが。。)
何も考えず物語に没頭したい、そんな心境で読みたいと手にした「リヴァトン館」。
600ページの長編小説で、細かな描写が淡々と綴られていくのに
途中で止められないほど文章の構成が魅力的だ。
そして多くの伏線によって、起こりうる出来事の予感を感じさせる展開も素晴しい。
そこから彼女が封印してきたリヴァトン館の真実が明かされていく。
グレイスの母がそうであったようにグレイスもリヴァトン館に侍女として働くことになった。
ハンナと4歳下の妹エメリンの姉妹を中心に貴族階級の一家の日常が描かれる。
古めかしい因習の中でハンナは自由を渇望していた。
ある日グレイスがふと立ち寄った秘書学校で、外出していたハンナと偶然出会ったことで
ふたりの「秘密」を共有したハンナとグレイス。
しかしこの「秘密」が後に大きな悲劇を生むことになってしまう。
グレイスが永い間自分の胸に閉じ込めてきた1924年のあの悲劇がよみがえる。
暗い湖に打ちあげられる花火の下で起こった出来事が。
ハンナがやっとみつけた自由。
しかしエメリンが求めた愛もまたハンナと同じものだった。
ハンナは自由を捨て、妹を選んだことによって手に出来るはずだった自由を失ってしまう。
物語は戦争をはさみ、リヴァトン家に働く厳格で秩序正しい使用人の描写や
献身的に仕えたグレイスの出生の秘密なども織りまぜ、
華やかさと誇りにみちた貴族の崩壊がゆっくりと進んでいくのが痛ましい。
哀感と重厚さが残る小説だった。
訳 栗原百代 ランダムハウス講談社