日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

「神戸百景」 川西英

2009-03-04 | 絵画

画家・川西英(かわにしひで)が、自分の生まれ育った神戸を木版画で描いた画集。
1952年から1953年に描かれた神戸が生き生きとエキゾチックによみがえる。

Koubehyakkei
神戸百景は1962年から1963年にかけて神戸新聞に連載された。
明快な色彩とフォルムで描かれた異人館や港、町並みは
神戸人でなければ描ききれない外国のエスプリが
川西英に宿っていたことを感じさせる。

神戸の個性は幕末の開港以来、外人居留地からはじまりその名残りを刻んで今も人を魅了する。

終生神戸から離れることのなかった川西英が残した風景は
近代 ビルが膨張する現代にモダンとノスタルジーを残してくれた。
そして昭和の神戸を語る絵の歴史本ともいえる。

川西英◆(1894年~1965年)代々続く回船問屋に生まれる。
独学で油彩画をはじめ師に就くことなく独自の画法で創作を続けた。
28歳で郵便局長に就き、66歳で退職するまで多くの神戸を描いた。