日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

彫刻界の鬼才 石川雲蝶 

2014-10-31 | アート・文化

幕末から明治にかけて越後(新潟県)で衝撃的ともいえる彫刻を残した石川雲蝶。
その彫刻を実際に目にすれば、胸をわしづかみにするような作品に息をのむ。

今年は石川雲蝶の生誕200年。コスモスの咲く新潟県魚沼市へ出かけた。
画像は永林寺と西福寺の作品から。
内部は撮影禁止なので複数のパンフレットより撮影。

永林寺 「天女」
欄間に施された優美で華麗な天女。天女は音楽をつかさどるとされる。
 

「孔雀」
永林寺の欄間を飾る小鳥とたわむれる雄と雌の二部作より。


「流水」
同じく永林寺の欄間にある三つの龍から。
古来より龍は水神として火災から守る守護神といわれた。



そして西福寺。
いつの頃からか雲蝶は「越後のミケランジェロ」と呼ばれるようになった。
彼は彫刻だけでなく、絵画やこて絵にも優れた才能を持ち合わせていた為だとされる。

「道元禅師猛虎調伏の図」
道元禅師が修行中に虎に襲われそうになったのを龍神が救う様子が天井いっぱいに彫られている。
何層にも重なっているような圧倒的な透かし彫り。
ただただ息をのんで見入ってしまった。
岩絵具を使用しているため今でも色褪せない鮮やかさ。


下は天井の中の一部分で、松の枝から竜虎の戦いを見ている鷲。


西福寺の「雲蝶の間」に残る襖絵。
「春夏秋冬の花鳥」より (秋)


そして富士のたもとから空へ飛ぶ鳥をほどこした書院障子。
「三保の松原」


西福寺の外で自分が撮影できた雲蝶の作品。
天女は微笑みながら音楽を奏でる。雲間に浮かんだ人間味あふれる天女。


木から優美な流れが生まれる不思議さ。


雲蝶は1814年 (文化11年)江戸に生まれた。
その才から若くして江戸彫石川流の名字を許され、30代の時に越後入りした。
「良い酒とノミを終生与える」と言われたのがきっかけだったという。

越後の寺や神社に多くの作品を手がけた雲蝶。
彼は山里で雪深い冬を迎え、雪解けの春も夏も終生ノミを手に
作品に打ち込んでいただろう。
その時の音まで聞こえてきそうな雲蝶の情熱は、魚沼市のガイドブックに書かれているように
まさに「問答無用の素晴らしさ」であった。


ドライになったゲットーの実

2014-10-27 | Flower

新しい花、5日前の葉、そして3週間前の葉に、2か月前からあったベージュのゲットーの実。
時間は違えど一緒に合わせて器で対話。



使用した花材
カラー、ダイヤモンドリリー、レッドブルー、スキミア、ゲットーの実、タニワタリ、
ヒペリカムの葉(紅葉)、ゲーラックス、ロータスブリムストン


香水の広告 ジャン・コクトー

2014-10-20 | Jean Cocteau

1950年代にアメリカの化粧品会社エリザベスアーデンから発売された香水「My love」の広告を
ジャン・コクトーがデザインした。



この広告とは別にモノクロ版もあったようだが、同じ顔の手前に香水瓶が配置され
My love の文字があるだけのシンプルなもの。
この広告には「for Christmas」の文字が入っているので期間限定のものなのか詳細は不明。

目を閉じた上には青い夜空に星々が。
香水のふたは羽根の形をしたガラス製のようだ。どんな香りがしたのだろう。


宇野亜喜良60年代ポスター展  ポスターハリスギャラリー

2014-10-12 | 宇野亜喜良

1960年代の文化は宇野亜喜良さんのポスターを見れば
時代の空気を読むことが出来る。
劇場の公演だけでなく化粧品、銀行、ラジオ番組に至るまでポスターの分野は広く、
宇野さんの才能を必要としていた企業がいかに多かったかと痛感。



たて髪をなびかせた白馬に3人の少女は「罪深き美」を乗せてどこへ。

当時(1968年)のチケットからデザインされたコースター。


アカリファ・ホフマニー

2014-10-09 | Flower

葉がフリルのようにうねり、まわりにピコットを思わせる白い縁があるアカリファ・ホフマニー。
ひと塊になった葉はねじれたように見える不思議な形。
成長は早く光が必要。水が足らないと葉がすぐにしおれるので土が乾いたら水はたっぷりと。



葉がうねるのは葉脈の中心が外側にそれるためで、白い小さな花を咲かせる。
優しくうねる葉。まるで帽子の飾りのようにエレガントだ。