根津神社は今から1900年前、日本武尊(やまとたけるのみこと)よって
創建された由緒ある神社。
想像も出来ないほどの大昔のことである。
そして長い時を経たのち、宝永2年(1705)徳川5代将軍綱吉が
「天下普請」とよばれる大造営を行った。
下の写真「拝殿」を見上げると「卍」のマークが。
明治維新によって神仏分離政策が布かれが、
それまで根津神社は仏教と深い関わりがあったため、それまでの習合の名残りといえるだろう。
現在は卍が神紋となっている。
そして都内でも有数を誇る根津神社のつつじ園。
100種におよぶつつじが約3000株植えられている。
つつじ園はここに甲府の宰相・徳川綱重の下屋敷があり
綱重がつつじを植えたことに始まる。
350年の歴史を持つ美しき春の彩り。
一本の木から白とピンクが混じる「常夏」
小ぶりでかわいい朝焼けの色「ヒノデノクモ」
くるめつつじの仲間で鮮やかな「朱雀」
名前を調べたがどうしてもわからなかった淡いサーモンピンクのつつじ。
八重咲きの姿が薔薇のような「千恵オオムラサキ」
青紫の細いはなびらは「ハナグルマ」
どの株も丸く刈り込まれ手毬のような愛らしさ。
感動せずにはいられない黄色が新鮮な「キレンゲ」
そして優雅なオレンジ色の「カバレンゲ」
つつじと思えない洋風の白い品種「ギンノザイ」
桜が終ればいっせいに咲き出すつつじ。
枝には香りがあり種類の豊富さは私たちの目を楽しませてくれる。
尽きぬ魅力を秘めている花でもある。
世界遺産である日本が誇る姫路城。
平成の大改修を終え、先月23日にグランドオープンした。
修理を終えて姿を現した姫路城は別名「白鷺城」といわれるように
まさに大空に舞う白鷺のようだった。
今月4日に行った姫路は城を囲むように桜が満開で、建築と自然の融合は
日本の美を象徴するようでもあった。
天守閣の最上階に祀られている姫路城の守り神でもある「長壁神社(おさかべじんじゃ)」
この城を建てた池田輝政が長壁神社を城外に移築したところ、
妖怪とされる長壁姫のたたりで輝政に不幸が続いたため、この天守に戻されたという。
泉鏡花の有名な作品「天守物語」はこの伝説を元に書かれた。
鯱鉾も城を守る重要な役目を持つ。
大手前通りとその突き当りのJR姫路駅をのぞむ。
徳川家康の孫である千姫が姫路城で10年間過ごした「西の丸長局(ながつぼね)」
千姫の世話をした侍女たちが控えていた百間廊下と呼ばれる廊下から
外をみると桜がいっぱいに広がっていた。
地にこぼれるように咲いていた枝垂れ桜。
爛漫と咲く桜が今年も日本をピンクに染める。
つかの間のこの風景を胸にとどめようと私も桜の下へと誘われた。
港区のお寺にて。枝垂れ桜を下から見上げて。
花は小さく白に近い。まるで雪が花になったような。
立ち去り難い場所だった。
目黒区のサレジオ教会付近。
このあたりは桜が多く、付近の人が通るだけの静かなエリア。
見事に咲く桜の木々が私を呑み込むようだった。
東横線・都立大学の桜並木でライトアップされた桜がガラスに映り込んでいた。
偶然が絵のように幻想的な風景を生み出す。