宇野亞喜良さんのカレンダーが今年を飾ってくれた。
折りたたまれた絵が起き上がり、立体的になる仕上げで
春夏秋冬の4パターンで作られたカレンダー。
そして正方形のカードには宇野さんのメッセージが添えられていた。
今年のドアスワッグはベーシックな形にした。
実を多く使用したが
いつ来るのか鳥がついばみ、ドアの下には葉や枝が散乱している。
何度直しても引っ張るようで今ではすっかり形が崩れてしまった。
それでも鳥が来てくれるのはうれしい。
使用した材料
モミ、ヒバ、スズメウリ、ククミス、バーゼリア、ユーカリトランペット、ポプラス、ナンキンハゼ
人が行き交う銀座はどのウィンドウもクリスマスのディスプレイでいっぱい。
木々にも歩道の植え込みにもイルミネーション。
それぞれの表情の銀座はこの時期、いっそう華やいでいた。
左は銀座松屋、そしてトナカイが走る三越の飾り。
道にもツリーが建てられている。ふたつのブランドが立つここはいつも撮影する人の姿が。
右は幻想的なティファニーのウィンドウ。
左はケーキのキルフェボンの窓辺。
右は山野楽器の通りに面した巨大なツリー。色が変化していく。
楕円形の窓は銀座が誇る老舗宝石店の天賞堂。
右はアイシングクッキーのメリファクチュリー。
4丁目と並木通りの光の飾り。左の鉢は現在は違う型になっている。
熊本県で採掘される天草陶石を使用して170人のクリエイターがデザインした「藍色カップ」展が
クリエイションギャラリーG8で開かれている。(リクルートGINZA8ビル1階)
170人がボランティアでデザインしたというカップはどれも多様な個性で描いている。
販売した収益金は復興支援のために寄付をするという。
購入した3人のカップは山本タカトさん、宇野亞喜良さん、ヒロ杉山さんのデザイン。
タカトさんは髑髏に菊や藤の花、蝶が描かれた幻想的な絵。
宇野さんはストライプのリボンが少女から猫のしっぽ、そして次の少女へと結ばれている。
そして鳥の写真を転写したヒロさんのカップは「すべてのものはつながっている」の表現を細い線で引いて。
熊本の未来を応援する170人の厚意がつながれたチャリティ企画だが
カップは絵を見ても楽しいし、日常で色々な用途で使える大きさがうれしい。
スキャンダラスな話題を振りまいたスペインの画家サルバドール・ダリ。
不釣り合いで唐突で現実離れした不可思議な絵。
そんな謎のなかにある「何か」が秘められているのを発見したかと思うと
曖昧なままカーテンを閉じられたような後味。
そしてダリのイメージは浮遊し、ぐにゃりとしてぼかされ、あるいは分散されていく。
夢のまた夢なのか…。
しかしダリの絵を追っていくと、いきなり奇想天外な絵を描いたわけではなく
印象派のような手法からモダニズムの時代を経て
しだいに黄金比など物理学的手法を用いて高い知性のもとに描かれているのがわかる。
「カダケス」 1923年
ダリがのちに住むことになったカダケスの町は
多大な影響を与えたモチーフで多くの作品の背景に描かれる。
「姿の見えない眠る人、馬、獅子」 1930年
基本的なモチーフで複数のイメージを重ね合わせた作品。
空の美しさと荒涼とした場所に澄んだ青の球体が神秘的。
「ポルト・リガトの聖母」 1950年
イタリアルネッサンス風の祭壇に妻のガラを聖母に描き
祭壇を一定に分離させた原子物理学の手法を用いて宗教的に描いた作品。
「<幻覚を与える闘牛士>のための習作」 1968~1970年
ダリは習作を何枚も描き15ヶ月かけて「幻覚を与える闘牛士」を仕上げたという。
ミロのヴィーナスが後方へと連続して永遠性を感じる作品。
初期から晩年までの作品回顧展なので年代ごとに作品が展示されているが
それでも炸裂するようなダリの絵が少ない気がした。
あふれ出て、自分で収まりきれないほどのイメージを拡大したダリなのだから。
痛快に生きたダリの記憶は
屋根に卵が乗るスペインの「ダリ美術館」と「カダケスの家」に、
そして今私たちがこうして観賞できる絵の中に生きている。
1999年から恵比寿ガーデンプレイスの冬を飾ってきたバカラのシャンデリア。
今年はバカラの創設250年なのだという。
その記念として歴史上最大の大きさのシャンデリアが下げられている。
冬の恒例行事だが
ガラスが放つ豪華な輝きは装飾の迷宮に入り込むようだ。
「遠野物語」は山形県の遠野に伝わる妖怪や精霊などの不思議な出来事を
柳田國男が遠野郷で聞いた話をまとめた伝承譚。
宇野亞喜良さんの挿絵でECRITから「栃の木と」が発売された。
栃の木に毎日のように寄り添っていた美しい少女は
船を作るために伐られることになった栃の木の話を聞き悲しみにくれていた。
川に流された木を追い、桐壺の淵に飛び込んだ少女。
晴れた日には川底に羽がはえたような木が見えたという。
木と少女の悲恋を語った言い伝えだが
樹木には精霊が宿り、また神の依代とされる日本の伝承として
人々が樹木へよせる敬虔な思いを感じる逸話。
宇野さんの絵は木に寄り添う少女が水のゆらぎに漂うように描かれている。