日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

はなびらが落ちた向日葵

2013-07-31 | Flower

B_basket
チョコレート色の向日葵を手に取ったらが花びらが落ちてしまった。
今回のメインにするはずだったが主役がなくても花は生けられると気を取り直して。

蒸し暑い・・吹けよ風

使用した花材
ヒマワリ、ブルースター、ユーカリの実、木イチゴ、利休草、ヒューケラ、縞シャガ


Madame Yevondeはすてき

2013-07-29 | アート・文化

Yevonde 
「Madame Yevonde」のタイトルがついたCD。
サウンドはアッという間に終わるが
Madame Yevondeが撮影した女性の写真が使われている。

Yevondeはイギリスの写真家で知る人ぞ知る存在で1893年生まれ。
作品は主に肖像写真が多く、特に神話からイメージした写真は
高いデザイン性で圧倒的でさえある。
CDの写真は「女神シリーズ」でブリジット嬢を撮影したもの。(1935年)
写真集を紹介したいが著作権が有効のようなのでこのCDで。

                    Be Originar or Die
                オリジナルであれ さもなくば 死を     (Yevonde) 


体感温度

2013-07-23 | 日常

Taion




暑さが又戻った。
同じ温度でも今日は湿度が高く、何故か空気が重く澱んでいるような暑さ。
そして午後3時過ぎ。
強風・雷とともに豪雨が空を変えた。そのためJR目黒駅で足止めに。
外の暑さや冷房の寒さに追いつかない自分の体温。
豪雨だったけれどつかの間の涼しさに救われた体感温度。


オルフェの遺言 ジャン・コクトー

2013-07-13 | Jean Cocteau

ジャン・コクトーの映画による遺言劇であり、コクトーの自身の影絵ともいえる「オルフェの遺言」は
見えるものの向こう側にある不可視の世界を自由に飛翔する詩人の姿を描いた作品。

前作「オルフェ」のラストシーンから物語は始まる。
次の出演者のクレジットシーンに流れるフルートのバックミュージックは
グルック作曲オペラ「オルフェとエウリディーチェ」から「精霊の踊り」を使用している。

詩人は時空を越えて存在する。
15世紀の衣装で詩人は化学教授と会うため、教授の生涯に順を違えて登場する。
老教授にピストルで撃たれて詩人は現代で生きることができた。

黒い馬を追ってジプシーの岩間で炎から現れたセジェストの写真。
破られたその写真を詩人が海へ投げると海中から忽然とセジェストが蘇る。

そして彼とともに詩人の遍歴の旅が始まった。

ハイビスカスを描こうとしてもそれは詩人の自画像となり、踏みにじった花も元の形に再生される。
次にたどり着いた所。
そこは前作「オルフェ」の死の王女と運転手ウルトビーズが審問する裁判の場。
彼らは「オルフェ」で、オルフェを黄泉の国から現世へ戻した罪で人を裁くという重罪を負わされていたのだ。
この二人は死を擬人化している。
ここで詩人は映画論、詩人論を語り、老教授、セジェストの証言で死刑ならぬ
「生きる刑」を宣告される。

その後も遍歴は続いていく。
貴婦人の館を通り、ヴィルフランシュの港を過ぎて知恵と戦いの女神がいる広間にたどり着く。
詩人がハイビスカスの花を捧げるが気に入らない女神は詩人に槍を投げた。
倒れた詩人は横たわりながらも煙とともに蘇り、ひとすじの道をさまよう。
さまよいながらすれ違ったのはアンチゴーヌを伴って放浪する悲劇の王オイディプスであった。

詩人はアルプスの街道に出た。
不審に思った警察官が取り調べをしている間にセジェストが現れ
「この地球はあなたの祖国ではない」と詩人に告げ、二人は石垣の中に消えていった。 

映像の中に使われるハイビスカスの花は詩人自身として使われている。
花が詩人の手に渡り、そして消える時、さらにフイルムの逆回転の技法は
異空間への神秘性を感じ、今見ても斬新である。

この作品は1959年9月、南フランスの地中海に面したボー・ド・プロヴァンスで撮影された。
出演者はジャン・マレー、ピカソ夫妻、ユル・ブリンナー、シャルル・アズナブール、
セルジュ・リファールなど。

下の写真は撮影の合い間、ルイ15世紀風のコクトーとセジェストを演じたエドゥアール・デルミ


ほんのり赤く

2013-07-08 | こけし

Kojisan



福島・土湯系、瀬谷幸治工人のこけし。6寸
目のまわりがほんのり赤く。
このタイプのこけしは「たこぼうず」と呼ばれる。

休業中だった瀬谷工人が復帰して作られたこけしで
はっきりした色彩とヘアスタイルが個性的。
鎌倉「コケーシカ」で昨年めぐりあった。


短夜

2013-07-03 | 日常

Mijikayo
一年の半分が終わり暦は後半の7月に入った。
現代は昼と同じくらい夜も動き続けているが夏の夜は短い。
秋の「夜長」に対して夏の夜は「短夜(みじかよ)」と呼ばれるという。

小川未明の童話「月夜とめがね」
月夜の美しい晩。
目が遠くなった老婆の家にめがね売りが訪ねてきて
めがねを買った老婆がはっきりと字も見えるようになり
そのあとに訪ねてきた少女は怪我をしていた胡蝶だったというまぼろしのような話。
青白い光にみちた夜
幻想のように咲く花々
老婆の優しさが月と同じようにあたりを平和にした。