サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

スコモーとガースー

2021-01-16 08:51:37 | 日記

オーストラリアの連邦首相はスコット・モリソンで、あだ名はスコモー。名前を短くしただけの短絡的なあだ名である。昨年に日本を訪問して菅首相と会談したときに「スコモー」と呼んでくれと自分で言ったいたので、気に入っているあだ名なのだろう。日本では報道されたがあまり話題にならなかった。他の欧米の首脳と比べると、小粒感がいなめないし、イメージ的にも地味な人物だ。

 

さてこのスコモーは2019年の年末に全国でブッシュファイヤーが猛威を振るっていて、国難とでも言えるような状態だったにもかかわらず、クリスマス時期に家族でハワイ旅行に出かけた。これが非難ごうごうとなり、休暇を切り上げて帰国したが山火事地域を慰問しても住民から罵声を浴びた。この失態からスコモーは与党内から引きずり降ろされて、辞任は不可避化と思われた。

 

オーストラリアの2大政党の自由党も労働党も選挙で負けるよりも先にリーダーが交代する。人気のない首相は党内の権力争いで選挙向けの顔にならないと判断されると、他のリーダー候補が出てきて突然リーダー選挙をやって交代させられる。リーダーの任期なんてあってないようなもので、突然リーダー選挙をやって首を挿げ替える。これは自由党でも労働党でも同じ。実に不思議な制度である。

 

このために首相は世論に敏感で、自分の内閣のスキャンダルを気にする。どちらの政党が政権をとっても政策には大きな違いがないために、イメージ選挙になるし、政策論議は増税か減税かの違いしかない。

 

1年前には辞任が近いと思われたスコモーだが、コロナで復活。毎日のように記者会見に出てきてロックダウンと給付金をセットにした緊急政策を打ち出して、コロナを封じ込めている。具体的には各州の州首相の政策判断になるのだが、スコモーの国民を鼓舞した姿は目立った。つまりドイツのメルケル首相のようにコロナで復活したわけだ。

 

日本のガースーはコロナを封じ込めて就任時の高い支持率を維持できたはずなのに、GO TOなどという失策でコロナを逆に拡大させて今や袋叩きである。スコモーと同じようにガースーですとあだ名を定着させたかったようだが、ふざけているようにしか見えなかった。地味な人が奇をてらっても逆効果である。

 

ガースーはスコモーよりも先に辞めることでしょう。