サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

エジルがアーセナルを退団

2021-01-25 09:46:53 | 日記

メスト・エジルがアーセナルとの契約を解除して、フェネルバフチェへの移籍が発表された。アーセナルではエメリから干されて、アルテタに監督が代わってからも一瞬起用されるようになったが、昨季の途中からは選手登録リストから外されるなど、背中から石を投げられるようにアーセナルを追われた。エジルほどの選手がこのように退団させられるのは非常に残念である。

 

なぜアーセナルとここまでこじれてしまったのか。アーセナルには2013年9月に5年契約でレアルマドリードから加入。2018年2月には2021年夏まで契約を延長。この時の週給が推定で5400万円程度。イングランドの選手の給料は年俸ではなく週給で表示されるので分かりにくい。52週で計算しても年俸で28億円になる。随分と高給取りである。

 

この高額な年俸がネックになったわけだ。レアルマドリードからアーセナルに移籍した時の移籍金は5千万ユーロだったから、アーセナルはこれを回収できなかったし、試合に出さなかった選手に対して高額な給料を払い続けたわけだから、クラブは厄介払いしたかったのだろう。

 

32才になりトップフォームを維持できなくなったとしても、給料の額は別にしてもまだまだ活躍できる選手である。全盛期の頃と現在を比較しても仕方がないが、かつてモリーニョは、エジルのことを「フィーゴやジダンのような特徴を持つ、世界最高の10番」と形容していた。これは2010年前後の話だと思うが、同時期にモリーニョはドルトムントにいた香川をレアルマドリードに誘っていた。しかし香川はエジルのバックアップと説明されていたのでその誘いを断った。

 

モリーニョが才能を認めたエジルと香川が今や都落ちしていくわけだから、10年もたつと世界最高の10番と言われても何の意味もなかった。よく思うのだが、昔活躍していた選手が劣化してポジションを失い、移籍を繰り返して都落ちしていく。しかし本人もサポも昔の全盛期のイメージが残っているので、劣化を認めたくない。プレーする場所さえあればまた輝けると信じている。

 

ルーニーのように指導者としての道を早くから考えている場合はまだいい。しかしエジルや香川が3年後の35才くらいになった時には、他のさらにレベルの低いリーグに行くのかも知れない。エジルがトルコのクラブに移籍するなんて10年前には予想もできなかっただろう。