サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

昇降格のないリーグはユース年代が育たない?

2019-11-11 12:25:00 | 日記
オーストラリアのユース指導者のトム・バイヤーという人が興味深い意見を述べている。オーストラリアは今年のユースの大会は男女とも不振である。たとえば男子のU-17はベスト16でフランスに4-0で大敗。女子はAFCU-19でSFで日本に7-0、3決で韓国に9-0で大敗。五輪代表チームは予選に臨むために台湾で合宿中だが強いチームではない。


バイヤー氏の意見では昇降格のない国内リーグではクラブの競争原理が働かず、ユース、ジュニアユース、あるいはもっと下の年代の子供たちへの親のサッカーに対する情熱が足りないという。2つの事例としてMLSとAリーグをあげている。


MLSは24チームあるが、優勝を争うプレーオフはあるが他の独立リーグのようなリーグとの昇降格はない。近々に28クラブまで拡大するが、それでも1部と2部にはわけない。プレー人口も中国に次いで2番目に多い国だし人口も巨大なのに、たったの24クラブしかない。


Aリーグは今季から11クラブ、来季には12クラブに拡大していくが、下部リーグはないので昇降格はない。Aリーグが全国リーグとすると州ごとにリーグがあるが半分アマチュアリーグである。


クラブの数が少なく、競争が少ないので競技人口も多くならないし、選手のレベルも上がっていかない。それ以上に3才くらいから親が情熱を持ち、正しい指導プログラムで子供にサッカーを教えていかなければいい選手が育たない、などなど。これがバイヤー氏の意見である。


クラブ数が少なく、競争がないことは正しい認識だと思うが、それがユースの育成と関係してくるとは一概には言えないだろう。アメリカの競技人口は2400万人と言われていて、プロスポーツとしての人気はMLSのほうがMLBよりも上だと言われている。24クラブでもサッカー人気には大きく貢献している。


しかしそれが代表チームの強化にはつながっていないのも事実。それだけ人気があるのにどうしてワールドクラスの選手を輩出できないのか。人口が35万人しかいないアイスランドの代表チームのほうがアメリカよりも強い。それは子供からの育成に大きな違いがあるからだそうだ。


まあユースの育成には国によって特色はあると思うが、AFC女子U-19大会でオーストラリアがSFと3決で大敗したのには驚いた。