シャーベッツの新作は記念すべきバンドの10作目となる「CRASHED SEDAN DRIVE」。
昨年の「きれいな血」に続いてのリリースとなり、浅井健一の創作意欲とバンドの
状態の両方が充実しているということの現れが、2年連続の新作の発表となったので
あろう。
これは個人的な趣味が偶然を招いている話なのだが、シャーベッツのアルバム・ジャケット
には、夜や冬を映し出したものが幾つかあり、そういったジャケットの盤と私の相性は
すこぶる良い。つまり、私はこの新作を気に入っている。
今まで以上に生活を取り巻く大きな状況に具体的に触れているのが印象的で、生きると
いうことに肯定的なのが格好いい。背伸びしようが等身大だろうが今できること、
今思うことを全うしようとすることの美しさが、ここまで歌詞に現れたのは珍しい
ような気がする。
多作家故に書きなぐり或いは手癖で作った曲を、出来たらできただけブチこんだと
いう感じがしなくもないが、それでも今回の新作はメロディーの起伏が多彩な曲が
幾つかあるし、これまで以上に女性ボーカルの曲の完成度が高いのも良いアクセントに
なっている。
冬の寒さ、夜の冷たさ、その先にある暖かい何か。
それを見つけるためにアクセルを踏み続ける全ての若き野郎どものためのアルバム。
もう、私は若くはないが・・・明るい未来のために・・・。
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