日本が世界に誇るライブ盤というと、チープ・トリックの「AT BUDOKAN」、ディープ・パープルの「LIVE IN
JAPAN」、サンタナの「LOTUS」、はたまたマイルス・デイヴィスの「AGHARTA」「PANGAEA」といったところが
思い浮かぶが、忘れてはならないのが掲載写真の2枚。
2000年11月20日、渋谷オン・エア・ウエストにおけるパイレーツとウィルコ・ジョンスンのライブを収録し、
バンドごとに単体で出されたのが件の盤。同じようなトーンで統一されたジャケット・デザインが素晴らしい。
これらのライブ盤は日本主導で制作されたのだと思うが、先に挙げた4者ほど大物でない(失礼)ので
日本以外の、少なくとも欧米での流通がどれほどであったかと思うと、少々心許ない結論しか出ないだろう。
何とも勿体ないのだけど。両者の競演という事で持ち時間の制約があったろうが、その分どちらも
セット・リストは豪華で申し分ない。
まずは、パイレーツ。ジョニー・キッド亡き後、76年に再集結した際の「オリジナル・メンバー」での来日というのが
最大の売りであり、演奏の勢いというのは、年齢やメンバーの健康状態を考慮する必要の全くないもので
3人でここまで厚みのあるロックが演れるのか、という驚きを改めて感じる。
『BRAND NEW CADILLAC』『BABY PLEASE DON'T GO』がCDやレコードになるのは初めてとのことだが
見事にミック・グリーン流の音で、これらのロック・クラシックが再現される。
『PETER GUNN』で始まり、最後の最後に、個人的に大好きな『ALL IN IT TOGETHER』で終わる
ステージ構成も最高である。
パイレーツの演奏と比べると、ウィルコ・ジョンスン・バンドは同じトリオであるが、どちらかというと音の隙間が
多い。勿論、これが彼ら流。こちらもセット・リストがよくて、パイレーツより現役感があるだけに当時の新作
「GOING BACK HOME」からの曲を立て続けに演奏し、間にソリッド・センダーズ時代の曲を挟み、最後は
フィールグッドのお馴染みの曲で締める。
さて、のんびり続くカバー・ソングス100選。
ウィルコ・ジョンスンが演奏するジェームス・ブラウン・カバー『THINK』を選出。まるで四角の車輪でガタガタと
進むようなリズムが実にウィルコらしくて格好良いカバーである。このアルバム「PULL THE COVER」には
ダグ・ザームの『MENDOCINO』のカバーも収録されていて、面白い。
冒頭に戻って、何か忘れてないかって?。いやいや、どうせ熱心なファンも初心者も、大して聴いてないんだから。
あっ、私はあのアレンジ好きですよ。といいながら、私もそれほど聴きこんでいません。(笑)
私はどちらのバンドも聞いていないんですが、きっと高速のカッティングギターなんでしょうね。
月日の経つのは早いものですね。
今回取り上げたパイレーツのライブ盤に、アベは
1曲参加しています。後にパイレーツと7インチを
録音したのですが、あれもなかなかでした。
両者とも、それほど「高速」ではないですよ。
特にウィルコは隙間だらけですが、そこに味が
あるのです。と、キース・リチャーズ原理主義者は
申しております。お、俺か。(笑)
おお、素晴らしい。
CDを聴く限りでは、パイレーツのライブの方が
勢いがあるようにも思えますが、今思えば
贅沢な組み合わせですね。