HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

東京の一夜

2011-07-24 11:55:18 | ROCK

       

日本が世界に誇るライブ盤というと、チープ・トリックの「AT BUDOKAN」、ディープ・パープルの「LIVE IN
JAPAN」、サンタナの「LOTUS」、はたまたマイルス・デイヴィスの「AGHARTA」「PANGAEA」といったところが
思い浮かぶが、忘れてはならないのが掲載写真の2枚。

2000年11月20日、渋谷オン・エア・ウエストにおけるパイレーツとウィルコ・ジョンスンのライブを収録し、
バンドごとに単体で出されたのが件の盤。同じようなトーンで統一されたジャケット・デザインが素晴らしい。
これらのライブ盤は日本主導で制作されたのだと思うが、先に挙げた4者ほど大物でない(失礼)ので
日本以外の、少なくとも欧米での流通がどれほどであったかと思うと、少々心許ない結論しか出ないだろう。
何とも勿体ないのだけど。両者の競演という事で持ち時間の制約があったろうが、その分どちらも
セット・リストは豪華で申し分ない。

まずは、パイレーツ。ジョニー・キッド亡き後、76年に再集結した際の「オリジナル・メンバー」での来日というのが
最大の売りであり、演奏の勢いというのは、年齢やメンバーの健康状態を考慮する必要の全くないもので
3人でここまで厚みのあるロックが演れるのか、という驚きを改めて感じる。
『BRAND NEW CADILLAC』『BABY PLEASE DON'T GO』がCDやレコードになるのは初めてとのことだが
見事にミック・グリーン流の音で、これらのロック・クラシックが再現される。
『PETER GUNN』で始まり、最後の最後に、個人的に大好きな『ALL IN IT TOGETHER』で終わる
ステージ構成も最高である。

パイレーツの演奏と比べると、ウィルコ・ジョンスン・バンドは同じトリオであるが、どちらかというと音の隙間が
多い。勿論、これが彼ら流。こちらもセット・リストがよくて、パイレーツより現役感があるだけに当時の新作
「GOING BACK HOME」からの曲を立て続けに演奏し、間にソリッド・センダーズ時代の曲を挟み、最後は
フィールグッドのお馴染みの曲で締める。

    さて、のんびり続くカバー・ソングス100選。
ウィルコ・ジョンスンが演奏するジェームス・ブラウン・カバー『THINK』を選出。まるで四角の車輪でガタガタと
進むようなリズムが実にウィルコらしくて格好良いカバーである。このアルバム「PULL THE COVER」には
ダグ・ザームの『MENDOCINO』のカバーも収録されていて、面白い。

冒頭に戻って、何か忘れてないかって?。いやいや、どうせ熱心なファンも初心者も、大して聴いてないんだから。
あっ、私はあのアレンジ好きですよ。といいながら、私もそれほど聴きこんでいません。(笑)


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4 コメント

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三回忌 (よしの)
2011-07-24 22:59:13
7月22日はアベフトシの三回忌で、彼はパイレーツとウィルコジョンソンらのパブロックでロックにめざめたとか、という記事を読んでいた後だったので、両方とりあげてあるのにシンクロニシティを感じてしまった。

私はどちらのバンドも聞いていないんですが、きっと高速のカッティングギターなんでしょうね。
返信する
もう、そんなになるのですね (ハリー)
2011-07-25 20:15:22
よしのさん

月日の経つのは早いものですね。
今回取り上げたパイレーツのライブ盤に、アベは
1曲参加しています。後にパイレーツと7インチを
録音したのですが、あれもなかなかでした。

両者とも、それほど「高速」ではないですよ。
特にウィルコは隙間だらけですが、そこに味が
あるのです。と、キース・リチャーズ原理主義者は
申しております。お、俺か。(笑)
返信する
Unknown (TK)
2011-07-28 15:36:22
見に行きました
返信する
Unknown (ハリー)
2011-07-28 20:50:05
TKさん

おお、素晴らしい。

CDを聴く限りでは、パイレーツのライブの方が
勢いがあるようにも思えますが、今思えば
贅沢な組み合わせですね。
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