ヴィンテージ・ソウルの復権なんて書くと大袈裟だが、60年代や70年代の
ソウル・ミュージックの音を望む人には期待の新星といっていいのがジャック・
ムーヴスの登場といっていいのではないだろうか。
ジャック・ムーヴスは白人と黒人の二人組であるが、二人組なんていうとボーカルを
わけあう或いは一方がボーカルでもう一人がギターを弾くなんて姿を想像するのだが
彼らはスタジオ録音において歌唱から演奏までを二人で賄っている。何とも今風な
感じだが、それだけ彼らがマルチな才能を持ち尚且つ学習能力に長けているという
ことなのだろう。
流れてくる音は、気持ちの良いドラムスの音に象徴されるようにニュー・ソウルと
呼ばれた時期の音を彷彿とさせ、そこにストリングスや曲によってはエレクトリック・
シタールまで絡めてくるのだから完全に私好み。(笑)歌唱は、ここぞの場面で
ファルセットを巧みに使い、時にマイケル・ジャクスンを想起させるような声で
ポップ・ミュージックのファンにも十分にアピールする。曲間にセリフが入る曲も
あり、どこまでも寸分の狂いなくツボを付いてくる。
単なる懐古趣味と違うのは、彼らのバイオグラフィーを見ると「ストリート」でも
「現場」でも表現はなんでもいいが今ある状況を最良の状態で伝えようとする手段が
こういう音になったというニュアンスが読み取れるところか。
何れにせよ、現行のソウル・グループの中では抜きんでた存在として次作が楽しみな
人たちであるのは間違いない。
The Jack Moves。
つまみ食いしてみましたが、なかなかなんじゃないですか。
Old schoolのつくりときらびやかな音の組み合わせは割と気持ち良いです。
Sweetコーラスに関しては声が伸びきっていない部分もありますが、
それはそれで歌えている曲も多いと感じました。
ストリート感覚もよろしい。
なんでも、先月ビルボードライブに来ていたらしいですな。
数多の素晴らしい先達と比べると青いところはありますが
聴いて気持ちいい音と声というのは、なかなか得難いので貴重な存在だと思います。
そういえば、ライブ評というのを見たことがないのですが
どんなライブだったのか気になります。