昨年のうちにアナログ・リイシューが成されていた、ニュー・ジャズ・オーケストラが
69年に発表した「LE DEJEUNER SUR L'HERBE」が遂にCD化された。個人的には
20数年待ち望んだCD化であったので、これは嬉しい。
ニール・アードレイとジョン・ハイズマンが中心となって結成されたNJOはロック者にも
聞き逃せない面子が参加している。ディック・ヘクトール・スミス、イアン・カー、
ジャック・ブルース、マイケル・ギブス、フランク・リコッティといった名前は
英国ジャズ・シーンに於いては「当たり前」のような名前なのだが、コロシアムや
ニュークリアスといったロック者の守備範囲にも抵触(笑)するので、興味は湧くという
ものだ。
アードレイ作のタイトル曲でアルバムは上品に幕を開ける。コルトレーンの『NAIIMA』
マイルス(というよりエヴァンス)の『NARDIS』という耳馴染みのある曲をとりあげて
いるのが、親近感の増幅に一役買う。個人的ハイライトは『DUKE FIRE』で、テーマの
後にハイズマンのドラム・ソロがあり、またテーマに戻るのだがコンパクトなドラムソロが
全く嫌味な感じがしないし、終始聴くことができるサックスのトーンがフリーキーで
あるのが心地よい緊張感を強いる。
録音されたのは68年9月。クリームの解散を目前に控えたジャック・ブルースが
どのような心境で参加したのかも今なら何となく察することができるような気がする
という意味でもロック者は気に留める価値のある盤である。
見ての通り、アルバム・ジャケットはモネの「草原の昼食」をモチーフにしている。
写真に写る二人の男がアードレイ(左)とハイズマン(右)である。
マネの絵を知るよりも先に、こっちのジャケットの方が刷り込まれてしまったのだけど。
単純に良い写真だと思う。
BOW WOW WOWだったかしら、
あの女の子は何か訴訟を起こしていたんじゃなかったっけ?
>終始聴くことができるサックスのトーンがフリーキーで
これですね、英国ジャズ・ロックシーンの真髄のひとつは。
たとえば、クリス・ウッドなんかでも惚れ惚れする吹きっぷりだったし。
ボーカルのアナベラが当時未成年だったので、母親が
アルバム・ジャケットの写真に対して訴訟を起こしたように
記憶しています。結果は知らないですが。(笑)
クリス・ウッドなくして、トラフィックの音は考えられない
ですよね。ジムもいないので、トラフィック自体が最早
幻、というのも残念です。