クリッシー・ハインドという人は不思議な魅力を持った人なのだろう。
パッと見の印象や、プリテンダーズでのフロントとしての役割から所謂
強面の感じがするのだが、それでも性的な魅力を振りまいている(はずだ)。
何故そんなことを思うのかというと。
かつての日本盤LPのライナーで今野雄二、北中正和といった人がクリッシーに
S的なキャラクターを意識し刺激を求めるという、今思えば笑えるキャッチ・コピーや
文章を残していること、また、ある雑誌のインタビュアーはクリッシーに性欲について
質問をしていたし。クリッシーはおそらくは平然と「セクシャル・ドライブを感じる
ことはある。」と答えていたけれど。
英国の長寿番組「LATER」では、ジュールズ・ホランドがクリッシーにインタビュー中に
単語から連想することを質問した時、その項目には「LOVE」「SEX」が含まれていた。
テレビということもあってか、終いには照れてしまい「もういい加減にして」という
クリッシーが可愛らしく思えたのはいうまでもない。インタビュー後にハグする
ジュールズが物凄く嬉しそうだったのも印象的だった。
つまらない印象の積み重ねであるが、積み重なると勝手な思い込みも強くなると
いうものだ。まあ、キンクスやシンプル・マインズのフロント・マンを魅了したのだから
魅力的な女性ということに間違いはないのだろう。
プリテンダーズが79年から99年に残した8枚のアルバムのDX版が登場した。
かつて05年から06年にかけて最初の数枚のアルバムは拡大版が出ていたが、
今回のDX版は各アルバム共、最初の拡大版発売時の収録曲は全て収録され、更に
数曲を追加している。更には全盤にDVDが添付され、アルバム発表時に制作された
PVやテレビ出演した時の映像が丁寧に集められている。
プリテンダーズにはPVを集めたDVDや、DVD1枚を含む5枚組の編集盤
「PIRATE RADIO」があるが、そこから漏れた映像や曲もそれなりの数がある。
アルバムを単体で購入することも可能だが、8セット全てを一つのボックスに
収納したブツもある。CD14枚DVD8枚の計22枚組となるが、14000円弱で
購入できたことを思えば一まとめで購入して正解だった。熱心に聴いたのは最初の
4枚までなのだが、久しぶりに聴くと当たり前だが以降の盤が悪いわけでもないことに
改めて気づく。CDケースのリアにはライノとエドセルのロゴがあるのだが、
流石のコンピレーションである。
プリテンダーズのファースト・アルバムのリア・ジャケの写真を覚えているだろうか。
ベーシストのピート・ファーンドンの足元を気にかけている写真なのだが、あれは
クリッシーの女性らしい部分を見事に捉えたいいショットだ。
こちらが勝手に思い込んでいるイメージと違う場面に出くわした時に、その人に
対する興味は増大する。戦略なら大したものだが、ここは素直に惹かれたということで。
近年はソロ活動をしているが、またバンドをやってほしいものだ。
わたくしは、嘘偽りなく、プリテンダーズが好きです。
クリッシー姉御にS的魅力などみじんも感じないが、
いつもいつも「男らしい」というイメージでいっぱいです。
この白黒ジャケは80年代に出ていたベストの
ものでしょうか。なつかしいこと、この上ない。
もしかしたら、自分にとって80年代最高のバンドかもしれない。
宝塚の男役に近いような魅力かもしれません。
あのツー・トーンのカラーリングは、バンドの「ロゴ」というか、「登録商標」みたいなイメージですね。
因みに、今回リリースされたDX版8セットを収納する
ボックスの上部をスキャンしました。(笑)
80年代最高のバンドって、これ以上の褒め言葉は
ありませんね。クリッシー・ハインドやジョーン・ジェットの功績はもっと語られていいと思います。