HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

1974

2014-07-26 08:51:40 | ROCK

CSNYの74年におけるリユニオン・ツアーを収録した組物が出た。3枚のCDとたった8曲
とはいえ当時の映像を収録した貴重なDVDで構成される重厚な組物だ。

何故70年のツアーでなく74年だったのか。答えは単純に今年が40周年というキリが
良い時期の演奏であるから、なんて言うのは私が捻くれているからか。いや、40周年という
大義名分は大事だろう。その証拠に3枚のCDに収録された楽曲は40曲である。

CSNYの74年のツアーは31公演、そのうち非公式な録音が確認できるのは21公演で
演奏された曲は80曲を超える。私もそのうちの数公演をブートレグで所持しているが、
正直なところあまり熱心に聴かなかった。アコースティック・セットでは当時の貧弱な会場録音では
聴くのが辛い部分があったし、それがバンドのパワー不足のような印象を私にもたらしたし、
コンサート自体が長かったことも冗長に感じられた。

70年7月に分裂したCSNYはそれぞれの活動に移行するのだが、再び集まる74年までの
間に4人が出したそれぞれのアルバムが全て素晴らしかったわけではない。74年の
CSNYリユニオン・ツアーではソロの曲が多く含まれ、単純にニール・ヤングのファンである私のような
聴き手はそことどう折り合いをつけるかというのも課題であった。

さて、今回の組物であるが、全てを見聴きして結果としては「良かった。」という感想に行きついた。
当たり前だがブートレグでは取り込むことのできない情報量の多さが、繊細なコーラス・ワーク(全てが
万全というわけではない)の魅力を伝えるし、何より音数の少ないアコースティック・セットは
いい音で聴くことができてやっとその真価を私自身が見出すことができた。

コンサートの曲順にほぼ忠実でありながらレア曲も多く収録しているので、実際のコンサートとは
違う趣になったが、アンソロジーであることとライブ盤であることを考えれば構成もしっかりして
いて聴いて違和感が無いというのもよい。まあ、単純にニール・ヤングのレア曲が5曲も公式に
初登場ということに喜びを見出してもいるが。(笑)

映像は8月21日のランドオーバーとツアー最終日の9月14日ウェンブレーで撮影されたものが
使われてる。もの凄く綺麗な画質ではないが、価値がある映像だろう。ウェンブレーでの映像は
当初BBCでの放送が予定されていたため、コンサートの全編を収録した映像が存在し、
ブートレグで広く出回った。少しボヤけたような画質であるが長尺のコンサートを捉えたという意味で
重要な映像ではあると思う。しかし、後にメンバーが語っている通りベストの演奏ではない。

メンバーが出たり入ったり、ソロをとったり楽器を持ち替えたりで、全体を見るとやはり冗長である
のだが、ある素材はなるべく多く見たいという意見ももっともなので、DVDに関してはもう少し
収録時間が欲しかった。

今回の組物はブックレットも充実しているので手に入れる価値はある。唯一本当に残念なのは
『CARRY ON』が未収録であることか。

さて、最後に。私はニール・ヤングのファンとしてこの組物を入手したが、CSNを軽視している
わけではない。それは当ブログの「LAND OF 1000 DISCS」の「AREA 67」を見ていただければ
御理解いただけよう。一つのバンドのメンバー全員のソロ・アルバムを選んだのは
ビートルズとCSNYだけなのだから。


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2 コメント

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サザンマンは奏ったんだろうか? (tapara)
2014-07-27 23:37:42
Harryさん、

>その証拠に3枚のCDに収録された楽曲は40曲である。

なんか、4人だから(ほかに2,3曲良いのがあっても)40曲に抑えたなどと、バカなことを考えております。

これは、買おうかどうしようか、迷っております。
なんせ、「4 WAY STREET」は昔のことばで言えば、
「擦り切れて裏面が見えるほど」聞いたクチですので。。
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やっていません (ハリー)
2014-07-28 15:19:56
taparaさん

74年ツアーでは『SOUTHERN MAN』は演ってません。
長尺の曲をやるよりは、4人の持ち歌をいやニール以外の3人の持ち歌を増やすことを選んだのでは。
『COWGIRL IN THE SAND』もツアー前半で外されて
しまいますし。

3枚のCDの構成がよくできているので、これは買いです。
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