HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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アラン・メリル / MERRILL 1

2006-07-16 00:21:36 | 日本のロック・ポップス
待望のCD化である。
68年から70年にかけてレコーディングしたものを71年にリリースしたもの。
最初のアルバム「ひとりぼっちの東京」が、アランの意思にそぐうもので
なかったので、これが1STソロだという意味合いで「メリル 1」と
タイトルがつけられた。

ギターとベース、ボーカルをアランが演奏し、ミッキー吉野、大野克夫が
キーボードを、原田裕臣がドラムスを担当。
マッシュルーム・レーベルのイメージはガロと小坂忠が一手に
引き受ける感があるが、このアルバムもレーベル・イメージを損なうことなく
ほどよくポップな出来である。
ビートルズに近似値的な要素が多いほど喜ぶような類の人で
このアルバムを気に留めない人がいたら、ちょっと不幸だ。
国産で、しかも71年にここまでの完成度のアルバムをつくっていたという
事実に正直、感動してしまう。

ボーナス・トラックも充実している。
まずはG.S.時代(ザ・リード)にアラン・メリルがボーカルをとった
モンキーズとビートルズのカバーが1曲ずつ。
そして、なんといっても「メリル 2」に備えてのデモが2曲聴けるのが
嬉しい。これが、実に時代を見据えたもので、特に「THE DRIFTER」は
CSN風のコーラスをまぶしたグラム・ロック前夜という感じの曲で
何度も繰り返して聴いてしまう。エンディング間近での、どうでもいいような
サウンドをダビングしている様を想像するだけで笑ってしまう。

素晴らしい2曲のデモを聴いていると「メリル 2」も聴いてみたかったと
思うが、この後が私の中で永遠の憧れである「ウォッカ・コリンズ」なのだから
贅沢はいうまい。
マスター・テープが見つからなかったので、基本的に板落としであること、
相変わらずジャケットの印刷やCDのつくりがイマイチなこと、
限られた流通経路にしか乗らないこと、となかなか広く浸透しそうにないが
頑張って入手する価値は大いにある。

もちろん、今年の「ハリー・ザ・ロック認定ストレート・リイシュー部門大賞」の
最右翼であることは間違いない。

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2 コメント

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マンハッタン無常 (kura_mo)
2006-07-18 04:51:56
俺のようなGS好きにはザ・リード後期メンバー(セカンドアルバム録音時)として有名な人ですが、ことあることにハリーさんのブログに登場しますね。ソロ作は全く聴いたことないので今度チェックしてみようと思います。



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Unknown (ハリー)
2006-07-18 22:35:16
ウォッカ・コリンズの「ケミカル・リアクション」に

K.O.され、後追いで知った「東京-ニュー・ヨーク」で

「これこそ、俺のもとめていたもの」と気づき、

「I LOVE ROCK AND ROLL」の作者がアラン・メリルと

知って、これは集めるしかないと思いました。



ロン・ウッド・トリビュートは本当に出るのか!?。
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