HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

トータス松本 / トラベラー

2006-05-20 21:37:17 | 日本のロック・ポップス
2003年にウルフルズのトータス松本が発表した、カバー集。
その立ち位置が潔い。
「ここには、新しい解釈、現代風アレンジ、斬新なアプローチみたいなものは
聞きとれない。」と自ら書いてある。何でこんなものつくったのか?と
問われれば「作りたかったから」あるいは「作らへんかと言われたから」。
私にとってはもう、ここまで曝け出してもらっただけで十分である。
トータスの素養となった曲は、まさしく私の好きな曲であり、それを
トータスが歌ってくれるというのは、楽しみ以外の何物でもない。

では、ここで取り上げられたアーティストはというと・・・。
ソロモン・バーク、マーヴィン・ゲイ、マディ・ウォーターズ、エルモア・ジェイムス、
サム・クック、オーティス、ハウンド・ドッグ・テイラー、アル・グリーンetc・・。
列記しているだけでその面子に身震いがする。
数年前にリリースされたアル・グリーンの新譜やハウンド・ドッグ・テイラーの
発掘ライブ盤のリリースの際に、トータスがよせたコメントは伊達ではない。

ハウンド・ドッグ・テイラーやマジック・サム、エルモアの曲をカバーする際の
ギターのパートは全てトータス自身のプレイであるのも痺れる。
たまにつっかかりそうなフィンガリングは計算されたそれであり、粋な
スライドと合わせて、ギタリストとしての魅力が全開である。
もちろん、歌いこみの回数によってこなれかたの違いがわかるが
ボーカルは全編聴き所。
サンコンJR、上原ユカリ、池畑潤二とドラマーを使い分けているので、
聴き比べも楽しい。池畑の相変わらずの豪放さと、細かいリズムを叩き分ける
テクニックには感嘆する。

ボーナス・トラック扱いで「OVER THE RAINBOW」が収録されている。
何気に「グリーンスリーブス」を口ずさむ人もいるだろうが、私が何の気なしに
口ずさむ曲が「OVER THE RAIBOW」だったりするので、この選曲も
ピン・ポイントでツボを刺激してくる。

ライナーを書いている朝妻一郎氏は第二段、第三弾のリリースを希望しており
自身のリクエスト曲も書いてある。勿論私も続編を強く希望する。
私のリクエストはスリム・ハーポの「SHAKE YOUR HIPS」、ジェームス・ブラウンの
「I GOT YOU」レイ・チャールズの「HALLELUJAH I LOVE HER SO」。
よろしく頼むよ。

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