HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

I SEE THE BAD MOON RISIN'

2008-10-01 21:25:50 | ROCK
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(C.C.R.)も高校時代の
私にとって重要なグループの一つだった。
「おそらく最も偉大なアメリカのシングル盤向きバンド」・・・これは82年に
刊行されたローリングストーン・レコード・ガイドに掲載された、C.C.R.を
紹介する最初の一行。まだ1曲も聴いたことの無いバンドであったが、
見事にこの一文は私の頭に刷り込まれたし、別の本で読んだ「アンコールに
けっして応えないバンド」という一文も気に入った。

ドアーズの場合はとりあえず不可抗力というか、たまたまFMで「水晶の
舟」を聴いたがためにアルバム購入を決断したが、C.C.R.は私にとって、
紙媒体での紹介文だけで音を聴いたことが無いのに購入を決意した
最初のバンドなのだ。当時のLPレコードのほとんどが2500円だったのに
対し、C.C.R.の再発盤が1500円で買えたというのが大きな後押しに
なったのは言うまでも無い。

最初に購入したのは「GREEN RIVER」。ジャケ買いである。(笑)
実にシンプルなリズム隊にキレのあるギター、何より印象的なジョン・
フォガティの声。おまけに3分で全てが片付く曲の尺も私好みで、
即気に入ったのは言うまでも無い。今ならスワンプだなんだと講釈を
たれる輩もいるだろうが、82年当時そんなふうな紹介はほぼ皆無だったと
思う。

スワンプの走り、という解釈で言えば面白いのはこのバンドは南部の出では
ないということだ。英国のバンドがこぞってアメリカ南部に憧憬の念を抱いた
ような音を出した時期があったが、アメリカ国内にも英国勢に先駆けて
そんなバンドがあったというのは再確認しておくべきだろう。
皆がサイケに被れて長尺の曲を演奏した時代に、自身は方向転換して
シングル盤に力を入れたというのも面白いし、単純なラブ・ソングではなく
ブルーズの常套句を踏まえつつ、政治に言及した歌詞がけっこうあることも
ロック・バンドとして正当な「反抗精神」を宿していたバンドとして
評価すべきだろう。

C.C.R.の6枚のスタジオ録音アルバムが、40周年記念エディションという
ことでボーナス・トラックを含んだ仕様で再発された。ボーナス・トラックは
適当に抜粋したようなライブ音源がほとんどだが、幾つかのアルバムには
スタジオ・アウトテイクが収録されている。
今までどんな再発やアンソロジーでもこういったアウトテイクの類は
収録されなかったので、迷わず最初の5枚のアルバムを購入した。
値段も安いのでダブってもいいや、という気になったのも事実。
「GREEN RIVER」にはライブ録音の他に、同アルバムでのセッションからの
未完成インスト2曲が収録されていて、これがまたいい感じである。
ジャケットのアウトテイク写真もふんだんに収録され、LPや紙ジャケを
持っている人(お、俺か)も十分に楽しめる再発である。

秋の夜長にロックンロール。

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