92年にECの「アンプラグド」が世に出た時は、熱心に聴かなかったどころか、「こんなもの
出してどうするの。」とまで思っていた。大体、MTVの一番組である「アンプラグド」という
その番組の始まった経緯からして気に入らないのだから、積極的に好きになれる要素が
私には無かったのだ。
正直に書けば、ポール・マッカートニーの「アンプラグド」は楽しんだし、よく聴いた。
「こういうアレンジになるのか、面白いな。」と思ったのだが、ECの場合は「エレキでバリバリ
弾く場面が見たい。」とか「この前もライブ盤(24 NIGHTS)だったじゃないか。」とか
次々と否定的な要素が私の眼前に積みあがっていったもので、2、3回聴いてそれっきり。
不当にも「こ洒落たアレンジで、日和やがって。」なんてことも思ったはずだ。
印象が変わったのは映像を見てから。TV番組だから最初に映像を見ていれば良かったのだが
私がこの番組の映像を見たのは、04年にECの映像作品7タイトルを一まとめにした
「ERIC CLAPTON DVD COLLECTION」を購入した時である。つまり、「アンプラグド」の
リリースから数えても10年以上後になってからである。
映像を見ると何というか、ECの真剣な表情(いつだって真剣なのだろうけど)と感情を
込めた歌唱が、目をとらえる。ギター奏法に目がそれほどいかないのは、私がプレイヤー
ではないからなのだが、それはさておき個人的には「音」だけで接した時の印象は大きく
変わった。勿論、良いほうにである。
今年になって「UNPLUGGED DELUXE + DVD」のタイトルで2枚のCDと1枚のDVDで
構成される組物が出た。ディスク2に収録された6曲の「OUTTAKES & ALTERNATES」と
DVDに収録された14曲のリハーサル映像が、今回の購入目当て。
リハーサルは通しで行われ、客席に観客がいないものの、本編と合わせると番組を2回分
見たような気分になる。照明やカメラのテストも兼ねているだろうから、絵的な完成度は
本当にほんの少しだけ本編より落ちるが、演奏自体は聴き応え十分。
本編で見聴きできない曲を2曲演奏しているのも、熱心なファンの人には喜ばれるだろう。
今思えば、「アンプラグド」に対する不満の中に「オリジナルが少ないな。」という事柄は
一度たりとも思わなかったのが不思議だ。
これが当たって、その次にブルーズ・カバー集を出しても誰に文句を言われるどころか
絶賛で迎えられるのだから、何がどうなるかわからないものだ。
まあ、それが人生なのだけど。(笑)
ないですが、やっぱりおらはこの音とジャケは
好きになれまへん、 何か一本抜けているような
気がして。 「アンプラグド」、ロッドスチュアートのも
アリシアキーズのも、どうもいけていません。
たぶん、十分にプロダクションされた音に
耳が慣れきっているからでしょうが。。
ライクーダやニックローみたいのならば、
「アンプラグド」でもぜんぜん良いのだけど。
これがベストか!と問われれば、それは即座に「違う」の
ですが、最近は「これも、ありかな。」と柔和路線を
敷いております。(笑)
ターゲットは明らかに白人なので、戦略的に正しかったの
だなあと、分別した次第なのです。
ジェフ・ベックの「アンプラグド」を聴いてみたいです。