HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

SWEET INSPIRATION

2014-09-02 18:55:23 | REGGAE

掲載写真はジャー・ウォブルが女性ボーカリストのPJヒギンスを前面に出したダブ・サウンドを
展開するアルバム「JAH WOBBLE PRESENTS PJ HIGGINS」。

PJはエチオピアのレゲエ・バンドであるダブ・コロッサスのメンバーでもあり、好事家の間では
それなりに知られた存在かもしれないが、私は今回の盤で初めてその名を知った。
つまり、興味のほぼ100%はジャーがつくるトラックにあったというわけである。

PJの声は何というか、少々粘着質な感じで個人的には特筆すべきところはないのだが、
これが所謂ラバーズではなく、一癖あるトラックにのるとそれなりに映えるから、プロデューサーの
力量というのはこういうところで発揮されるのだなあと思ったり。まあ、単なる歌手ではなく
曲つくりにも参加しているので、ここは才女とでも言うべきかも。

古いようで新しいレゲエ。レゲエにおけるスネアの音がここまで重いのは目から鱗というか
想像もしていない出会いで、これが全くもって格好いい。スネアとトランペットにかけられたエコーが
気持ち良い『KING OF ILLUSION』にハマったその直後に同曲のダブ・バージョンが続けられるのが
圧巻。それほど飛び道具的な処理はないのだが、深く静みこむかのようなダブは実に効く。

タイトル曲で、ギターとフェンダー・ローズの音色が絡むと、ただでさえ何だか気が遠くなりそう
なのに念の入ったことにジャーはここでハモンドまで演奏している。実に桃源郷である。(笑)

おそらく、この盤はジャー・ウォブルのファンが手にするのだろうが、レゲエを主戦場にする人が
聴いても全くO.K.な出来である。現時点ではCDしかでていないが、アナログで聴きたい方は
10月までお待ちを。アルバム収録曲の『WATCH HOW YOU WALK』は12インチが
先行リリースされ、これにはリー・ペリーやデニス・ボーヴェルのリミックスが収録されている。

ジャー・ウォブルが素晴らしい新作をリリースした一方で、キース・レヴィンはあの「コマーシャル・
ゾーン」の決定版をリリースするようである。こちらも楽しみだ。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (TK)
2014-09-03 13:37:04
これは知らなかったから聴いてみたいです。

キースレヴィンのコマーシャルゾーンはFacebookを通して何故か俺に宣伝をしろとの指令が来ましたが無視してます(苦笑)
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Unknown (ハリー)
2014-09-03 20:28:42
TKさん

安い輸入盤CDを注文していたのですが、何故かずっと
入荷待ちだったので我慢できず(笑)解説も何もないのに
高い国内盤を買いました。聴く価値大有りですよ。

コマーシャルゾーン、オーダー済みです。(笑)
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Unknown (たこべい)
2014-09-04 08:47:53
ジャー・ウォブルとかキース・レヴィンとか。
一回目のPIL 来日が両名脱退後だったので、失望したことを思い出します。

それにしても、頑張るなぁ。
聴いてみよう
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Unknown (ハリー)
2014-09-05 20:52:16
たこべいさん

あの時の来日公演は2枚組12インチとVHSでリリースされましたね。あれはあれで初めて聴いた時はそれなりに
気に入っていたのですが、やはりジャー&キースの不在というのは、後になってその欠落の大きさに気づきました。

この盤はお薦めです。
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