掲載写真は、エリオット・マーフィーの10年12月11日のニューヨークでのライブを収録した
アルバム「JUST A STORY FROM NEW YORK」。マーフィーは11年4月に、近年のスタジオ盤では
最良の1枚といえるセルフ・タイトルの「ELLIOTT MURPHY」を発表するが、そこに収録された曲を
4曲聴くことができる。
収録曲数は全12曲なのだが、当初のアナウンスだと100枚限定の2枚組仕様の盤には4曲多く
収録され、マーフィー自身のサインが記されているとのことで、私は当然ながらそれを狙っていたのだが
入手できず、「いつか見つけるぞ。」と心の備忘録に刻みこみ(笑)、通常盤を手にしたというわけだ。
限定盤でないからと言って、この通常盤がつまらないかというと、そんなことはない。
ライブ収録時点では発表間近であった新曲と近年の曲、昔からのマーフィーのファンの心を捉えて
離さない数々の名曲が上手い具合に配されたライブで、マーフィーをあまり聴いたことの無い方には
09年の「ALIVE IN PARIS」よりとっつき易いかもしれない。バックのメンバーが、ここ数年来の固定メンバーで
あることが演奏の充実に繋がっているのは間違いないだろう。
それにしても、現在の生活の拠点であるパリでのライブ盤の後に、かつて自身が認められた場所であり
生まれ故郷であるニューヨークでのライブを出すというのは、何とも粋であり、現役のロック・ミュージシャンであると
いうことを強烈に印象付けられる。パリでのライブと違うのは、ドラムスがフルセットであるのとキーボード奏者が
バックに参加しているということで、それがまたロックの疾走感とダイナミズムを産む。
『YOU NEVER KNOW WHAT YOU'RE IN FOR』、『LAST OF ROCK STARS』、『JUST A STORY
FROM AMERICA』といった昔の曲の解釈は全く色褪せず、今でも夜の街や風が吹きすさぶ荒野を
駆け抜ける緊張感と高揚を呼び起こす。
駆け抜けた先には夜明けがあり、暖かい日差しが待っている。今日は夜になっても、何となく暖かい。
マーフィーの歌と声には希望がある。春には春の高揚がある。そして、次の冬をやりすごす力を蓄えるために
また、マーフィーのレコードを聴くのだ。
それでも、問題は山積みだ。
例えば、上に掲載した4枚のアルバムの何れもが、現在カタログに載っていないというのはどうしたことだろう。
それでいいのか、ロックンロールは。マーフィーのカタログを常備できないというだけで、巷のどんな
大型通販HPの倉庫より、私のレコード・ラックの方が数倍充実しているというものだ。(笑)
芸が無いが、今回も前回の「ALIVE IN PARIS」を取り上げた時と同じ終わり方で。
ROCK AND ROLL IS HERE TO STAY .
この一年くらいパリのライブよく聴いてますよ。
そりゃ大手の倉庫よりハリーさんの部屋が充実してるでしょ(笑)
比較的、安価なので気軽に入手できます。
パリのライブとニューヨークのライブ、両方並べるとギターを持った右腕を上に挙げているのが共通していて、これは両方揃えて横に並べないと、という
わけです。
音楽を聴いて20年も経てば、大抵どなたの
部屋のラックの充実具合も、大手の倉庫より
充実していると思います。大体、大手の倉庫には
アナログ無いことが多いし。(笑)