掲載写真はイアン・ハンターの新作「FINGERS CROSSED」。ジャケットの右下に
描かれたタイトル通りに指をクロスさせた絵を見た瞬間、何故か木村カエラのDVDを
想起してしまったが、そんなことはともかく(笑)今作はなかなかの力作である。
モット時代のバンド・メイトであったデイル・グリフィンや、何かと関係のあった
デヴィッド・ボウイの死というハードな側面と対峙しながらも、今を見据えて前進する
イアン・ハンターの存在自体が私には嬉しい。
わかりやすいアッパーなナンバーを立て続けに繰り出せば、「まだまだ元気」とか
「精力的」なんて言われるのだが、本作が過去の数作と違うのはミディアム・テンポの
曲に力が漲っているように感じられるからである。まあ、これは聴き手の捉え方次第で
どうとでも解釈できるので私の解釈が正しいかどうかは実際に聴いた人にしかわからない。
かつて、モット・ザ・フープルは「ストーンズを父に、ディランを母に生まれた」なんて
アルバムの帯に書かれたことがあった。自他ともにディランの影響を認めるハンターの
作風であるが、体制に抗い価値の正当な評価を見誤るなと常に歌ってきたその姿勢は
今作でも変わらない。だがハンターの本当に凄い処は、そういった全ての警告は単純な
他者批判でなく、全て自分に当てはまり自分に返ってくることを理解していることである。
今作は国内盤が流通している。国内盤は輸入盤を先行予約した人が特典としてダウンロード
できた2曲をボーナス・トラックとしてCDに収録している。できれば国内盤を手にして
じっくり聴いていただきたい。ソロ・キャリア中5指に入る傑作なのだから。
MUSIC . . . IT'S A LIFE .
>指をクロスさせた絵を見た瞬間、何故か木村カエラのDVDを想起
英語nativeは”Cross your fingers”のような表現を使うことがあるようですね。
何でも、件の重ねた指の形が十字架を意味し、ある意味”神のご加護を”、ひいては”うまくいくように”なんて
ことかもしれないですな。
全然形が違うものの、わたくしなどは後期STAXのロゴを思い出してしまいました。
とにかく新譜が出せるとは、ハンターさん、喜寿を迎えても元気そのもの、ありがたい限りです。
>ディランを母に生まれた
確かにモットはディラン印しという感じですが、ハンターさんはディランよりも年上であり、
ハンターさんがディランに影響を与えた部分などないですかね。
幸運を祈るまじないの意味であると、解説にありました。
私なんかだと、staxどころか、気が付けばテキサス・ロング・ホーンみたいになっちゃうかもしれません。(笑)
モット・ザ・フープルのデビューは69年なので、ハンターさんが直接ディランに影響を与えたということはないかも
しれませんね。
十字架とは、気がつきませんでした。使ってる人も意識していない感じだったし。しかし、クロスって、十字架のことだから、現地の人は無意識にわかっていたのでしょうね。
異文化の人にはわからないこと色々ありますね。ディランは、一億円いらないのかなぁ、と、私が言うと、誰もが、庶民の感覚とは違うんだから、、、でも、ポールなら、受理すると思います。
多分、選ばれないけど。
「おまじない」という言葉の感じ、特に音に出した時の
かわいらしさが好きです。
ディラン、相変わらずノー・コメントですね。
照れ隠しにしろ興味がないにしろ、こういうことになりそうな感じがしたので、ディラン受賞の際の私のブログの記事では微妙な書き方をしました。
ポール、病気以外ならなんでも貰うんじゃないでしょうか、なんて書くとファンが怒りそうですが、ディランよりは物分かりがよさそうというか、世渡り上手そうなんで。あ、私、ポールのことも好きなので誤解なきよう。(笑)